外来
循環器センター(循環器内科)
循環器内科
休診・代診
- 2024年10月25日(金) 循環器内科 下肢静脈瘤外来(午後):中村→休診
- 2024年11月01日(金) 循環器内科 下肢静脈瘤外来(午後):中村→休診
- 2024年11月02日(土) 循環器内科 (午前):的場→松原
- 2024年11月16日(土) 循環器内科 (午前):的場→休診
- 2024年12月07日(土) 循環器内科 (午前):的場→休診
受付時間
午前診 08:00〜12:00 (診療科目は上記診療表をご確認ください。)
午後診 13:00〜16:00 (診療科目は上記診療表をご確認ください。)
- 一部受付終了時間の異なる科目もあります。詳しくはお問い合わせください。
- 急患は24時間受付しています。
予約外来
当院では待ち時間短縮のため、下記の印の科目については予約制を導入しています。
予約優先 | ・・・ | 初診・予約のない再診・急患の方も受付けています。 |
予約診療のみ | ・・・ | 予約された方のみの診療となっています。 |
患者さんに優しい治療を第一に
循環器センター(循環器内科)は、循環器の血管内治療を主な領域としています。
高度な治療方法が確立されているので、我々は「いかに患者さんのご負担を減らすことができるか」に集中しています。
代表的な取り組みをご紹介します
- 手首から治療することで身体への負担を減らす
- 術前、術中もコミュニケーションを行い、心の不安を減らす
- 服用するお薬の負担を減らす
- 再び血管が狭くなりにくい術式(ステント)を採用する
- 施術後は地域のかかりつけ医の先生と連携し再発しないよう食生活の改善を支援する
循環器分野は生活習慣と密接な関わりがあるので、患者さんと一緒になった治療が大切です。
何より「患者さんに優しい治療」となることを心がけています。
このほか適用例では、検査・治療に炭酸ガス造影を導入することで、造影剤による身体へのご負担を減らす取り組みも行っています。
3つの疾患 「動脈硬化」「静脈疾患」「心不全」
当循環器センター(循環器内科)では、大きく分けて3つの疾患の治療を行っています。ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。
詳細については治療についてをご覧下さい。
動脈硬化 | |
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動脈硬化 |
血管は年齢とともに硬く、もろくなってきます。 血管の壁にコレステロールがたまり、血管が狭くなって詰まりやすくなります。 |
心筋梗塞 |
血管内のプラークが破裂して冠動脈を塞いでしまい、心筋に血液が流れず壊死(えし)してしまう恐ろしい病気です。 動脈硬化が進行すると、心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。 |
狭心症 |
冠動脈の血流が不十分となった状態です。胸の痛みや圧迫感が症状として現れます。 狭心症が進行すると、心筋梗塞を引き起こす可能性が高まります。 |
末梢動脈疾患 |
足の動脈が狭くなり、血流が悪なったり詰まる疾患です。 様々な疾患の原因となりますが「狭心症」や「心筋梗塞」を合併することが多く要注意です。 |
静脈疾患 | |
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深部静脈血栓症 | 足の静脈に血栓ができる状態を言います。痛みやむくみの症状を伴うことが多いです。 |
肺塞栓症 |
深部静脈血栓症の血栓が血管を移動し、肺で詰まってしまう状態で命に関わります。 同じ姿勢を続けることで起きる「エコノミークラス症候群」は急性の肺塞栓症です。 |
下肢静脈瘤 |
静脈には血液の逆流を防ぐ弁がありますが、これが壊れると、足の血管に瘤(こぶ)ができます。 危険な病気ではありませんが、慢性的にだるさやむくみなどの症状が起こります。 |
心不全 | |
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心不全 | 心臓の働きが不十分な状態を「心不全」と言います。 |
慢性心不全 | 高血圧や弁膜症などで長年、心不全状態にあるものを慢性心不全と言います。 |
急性心不全 | 心筋梗塞などで急激に状態が悪化する命に関わる状態を指します。 |
診療方針
インフォームドコンセントの充実
チーム医療で患者さんを支えます
インフォームドコンセントの充実と診療・治療の標準化を目標としています。
急性心筋梗塞および狭心症の患者さんには心臓カテーテル検査・治療のクリティカルパス使用を積極的に進めています。
クリティカルパスの運営においては、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、放射線技師、管理栄養士、地域医療連携室などと連携し、患者さんお一人おひとりに対応しています。
さらに毎月、循環器ワーキンググループを開催し、クリティカルパスの改善・更新、そして新規作成のミーティングを行っています。
患者さんにご納得いただけるよう、病気と治療についてご説明させて頂いてます。
地域の先生と連携し健康増進に務める
康生会武田病院 循環器センターは、京都の中核病院として、今後も増加すると予想される「虚血性心疾患(急性冠症候群、狭心症など)」を中心とした循環器疾患の患者さんの診療に日々努力しています。
最新の診断と治療技術を積極的に取り入れると同時に、患者さん本位の思いやりのある医療を心がけています。
増加が予想される患者さんに対し、当院だけで出来ることは限られています。
術後・退院後は地域のかかりつけの先生(開業医の先生)の力が重要となります。
とくに循環器疾患は生活習慣病が原因なので、いかに再発を予防していくか、長期間の支えが必要です。
地域医療支援病院として、かかりつけの先生と我々が一緒になって、皆さんの健康増進に努めたいというのが我々の望みです。
診療実績
令和2年4月 ~ 令和3年3月 | ||
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生理機能検査 | 心臓エコー検査 | 5,876件 |
下肢血管エコー検査 | 1,330件 | |
トレッドミル負荷心電図 | 149件 | |
心臓カテーテル検査 | 332件 | |
経皮的冠動脈形成術(バルーンおよびステント留置術) | 281件 | |
ロータブレーター | 16件 | |
経皮的末梢血管形成術 | 52件 | |
エキシマレーザー冠動脈形成術 | 27件 | |
緊急冠動脈インターベンション | 60件 | |
心・血管カテーテル総数 | 613件 |
治療について
ここでは循環器センター(循環器内科)が対応する疾患と治療方法についてご説明します。
急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)について
急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)は、発症すると急速に危険な状態になることが多いです。このため当院では、循環器内科医師が24時間体制で常駐しており、迅速な診断・適切な治療に努めています。
特に急性冠症候群などの急性期心疾患の治療にあたっては、24 時間体制で緊急心臓カテーテル検査が出来るようにしています。
(循環器内科緊急オンコール医師 1 名、臨床工学技士、放射線技師、看護師とも連携して万全の体制を整えています)
原則として急性冠症候群には経皮的冠動脈形成術(PCI)を緊急で行い、生命の危険を回避するだけでなく、患者さんの術後の改善・生活の質の向上に努めています。
1分1秒でも早い対応をめざしています
一旦心筋壊死に陥ってしまうと回復は極めて困難です。このため急性心筋梗塞では、1分1秒でも早い再灌流療法が必要になります。
急性心筋梗塞の患者さんが来院されてから緊急心臓カテーテル検査のための動脈穿刺までの時間は60分以内、来院からバルーンによる再灌流までの時は90分以内であるべきとガイドラインで勧告されています。
全例(休日・夜間を含めて)が目標時間内に治療を開始出来るよう、さらに研鑽を積み重ねて迅速な診断と治療を臨床工学技士、看護師とともに連携し向上させたいと考えています。
狭心症の診断と治療について
患者さんの負担が少なく詳細な診断
当院では、従来からの心エコーや運動負荷心電図の他、マルチスライス CT(320列 MDCT)、心臓 MRI などが検査でき、当院に併設されている画像診断センターでは糖代謝をイメージングできる PET-CT も検査可能です。これらの検査を駆使して簡便で詳細な狭心症の診断や病態評価が可能となっています。
狭心症治療の進化(ステントの進化)について
当院は3つのカテーテル検査室があり、バルーン拡張術、ステント留置術、血栓吸引、ロータブレーター(高速回転ドリル)、エキシマレーザーによる治療が可能です。
治療の中心となるステントは、従来、金属のコイルを血管内に留置するものでしたが、新しい薬剤溶出ステントは金属コイルに再狭窄を予防する薬剤を含む特殊なポリマーが接着されています。ポリマーから徐々に薬剤が溶出し、ステント内の再狭窄を予防します。
従来は1/3もの頻度でステント内再狭窄が発生していましたが、この薬剤溶出性ステントによって再狭窄はまれになりました。
さらに、再狭窄の可能性が高い透析患者さんや糖尿病患者さん、そして冠動脈バイパス手術の適応患者さんにも積極的にステント治療が行えるようになりました。
低侵襲治療(インターベンション)の試み
当院では患者さんに対してやさしい経皮的冠動脈形成術(PCI)を心がけております。カテーテルの検査や治療は術後の安静が苦痛であるというイメージがありますが、手首や肘から検査および経皮的冠動脈形成術(PCI)を行うことにより、治療後も検査室から歩いて病室に帰っていただくことが可能になっています。治療用カテーテルを従来よりもさらに細いカテーテルを用いることにより、患者さんに負担が少ない心臓カテーテル検査・治療を試みています。今尚6Fr~7FrサイズのガイドカテーテルによるPCIが一般的ですが、当院においてはさらに細い5FrサイズのガイドカテーテルによるPCIが増えています。その他6Frシースレスガイドカテーテル(4Fr相当)によるPCI、4FrガイドカテーテルによるPCIや3Fr診断カテーテルによる検査など、より低侵襲な検査・治療も積極的に行っています。
新たな冠動脈診断装置について
冠動脈を形態学的に観察する方法として、1990年代から血管内超音波(IVUS)が広く用いられるようになり、IVUSから得られた情報を基に、経皮的冠動脈形成術(PCI)の施行が実施されています。最近、超音波の代わりに近赤外線を用いて冠動脈を観察する光干渉断層法(OCT)が開発されました。OCTはこれまでにない高い画像分析能を有することから、新しい冠動脈の画像診断装置として期待されています。未だOCTを使用できる施設は京都府下でもほんの数施設(H25年時点において)しかありませんが、当院では早速導入し、実臨床の場で有用な診断装置として汎用しています。冠動脈の内膜側の詳細な評価が可能であり、今までIVUSだけでは分からなかったステントの圧着不良や血栓、解離などの所見が明瞭に分かるようになりました。OCTの所見や情報については、当院からも情報発信していければと考えています。
エキシマレーザーによる冠動脈治療
冠動脈治療の成功率は一般的に約98%と言われています。しかしながら、約10%の方々は再び動脈硬化が進行し「再狭窄」してしまいます。これまで再狭窄に対してあらゆる手段を用いて、再発率を最小限に抑える努力をしてきました。今、そのような再狭窄を繰り返す動脈硬化に対しての最新の治療として「エキシマレーザー冠動脈形成術(ELCA:ExcimerLaser Coronary Angioplasty)」が注目されています。この治療は、平成24年4月に新規で保健償還が認められ、同時にこの治療を行うための施設基準が新たに設けられました。当院ではこの施設基準も認められ、エキシマレーザー装置をいち早く導入し治療を行っています。このエキシマレーザーを使用することにより、心筋梗塞の根本的原因となる動脈硬化をレーザーによって蒸散させ取り除くといった今までとは全く異なる新しい方法で治療を行うことができ、動脈硬化が再びできるのを防ぐことが期待できる画期的な治療法です。また、このエキシマレーザーは急性心筋梗塞にも効果を発揮するといわれており、今後さまざまな治療に活用出来ることが期待されます。
Q&A
ここでは、患者さんから寄せられたご質問をもとに、当センターの治療についてご説明します
血管内にできるというプラークとは何ですか?
血管の内壁にできるコブで血栓の原因になります
プラークは、コレステロールが原因で血管の壁にできるコブです。プラークがあると、さらにプラークがたまったり、粥状の脂質がたまったりします。血管を詰まらせる原因となるので、早期に取り除かなければなりません。
原因の多くは「生活習慣病」です。糖尿病、コレステロール血症、あと高血圧だとか高尿酸血症、そして喫煙ですね。一番の原因はコレステロールですね。
プラークや血栓はどのように治療するのですか?
血管にカテーテルを入れて治療します
血管内にステントを入れて治療をします。プラークが飛び散り、末梢血管を詰まらせることのないようレーザーで蒸散させたり、カッターで破砕しゴミを回収するなど、様々な治療を行っています。
いずれも、血管にカテーテルを挿入して治療を行うので、患者さんへのご負担が少ない優しい治療です。
家系に心臓病が多いです。遺伝は関係しますか?
遺伝性のコレステロール血症があります
「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の病気があります。これまで、治療方法がなく難渋していましたが、ようやく治療薬が出てきました。
とは言え、発見・治療が遅れると、若年性心筋梗塞や狭心症になる可能性があります。病気だと自覚されていないケースが多いので、是非、ご相談下さい。
早めにコレステロールをコントロールすることが大切です。
血管の病気は再発が多いと聞きました
施術後も健康管理を続けることが大切です
治療した血管は良くなっても、他の場所で血管が詰まることが多くあります。原因は生活習慣病なので、施術後は、高コレステロール、高血圧、糖尿などにしっかりと対応していくことが重要です。
かかりつけとなる地域の開業医の先生と連携をとり、皆さんの健康増進に努めています。