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レポート 2016/11/21

第3回脳卒中にならないための市民公開講座を開催しました

武田病院グループ第3回脳卒中にならないための市民公開講座
市民の皆さん脳血管障害など最新治療について研修

 

悪性新生物(肺がんなど)が急増したため死亡原因の4位になった脳血管疾患ですが、年間118万人が罹り、寝たきりになることも少なくない、といった予後の悪い脳卒中の最新治療と予防について学ぶ第3回「脳卒中にならないための市民公開講座」が10月16日、京都市南区の京都テルサで開かれ、患者さんや医療従事者ら160人が熱心に研修を重ねました。

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 一般講演Ⅰでは、『急性期脳梗塞の最新治療』と題して、康生会武田病院脳卒中センターの荻野英治副部長が脳卒中の中でも重症度の高い心原性脳塞栓症に対する最新の血管内治療について解説。t-PA治療だけではなくステントリトリーバーを使った血栓回収術(血管内治療)を併用することが重要である。最新の血管内治療では、閉塞血管の再開通率が約90%であり、発症から早期に治療を行えば神経症状の著名な改善が得られる可能性のあることを説明。当院で発症早期に血管内治療を受け神経症状の改善のみられた心原性脳塞栓症の代表症例を挙げ、脳梗塞に対する治療では、発症から治療開始までの時間を短くすることが大切であることを訴えた。

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一般講演Ⅱとして、康生会武田病院の清水英都子栄養科長は『脳卒中予防のために今からできる〝1・2・3〟』という演題で、主食、主菜、副菜を揃えたバランスの良い食事を摂ることや、減塩に務めながら脳卒中予防につながる食品を偏ることなく食べることを話しました。十条武田リハビリテーション病院の久保洋昭脳神経外科部長による『脳卒中再発予防と運動』の演題に移り、久保部長は「血圧や運動習慣、バランスのとれた食事や禁煙によって脳卒中の90%が予防できることが証明されています」と訴えました。

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特別講演Ⅰとして、認知症など脳神経研究者としても知られる石川医院の石川光紀院長が、『もしかして・いつの間にか脳卒中に対して、私たちができること~頭痛から認知症まで~』のテーマで講演。石川院長は片頭痛からの脳卒中患者の症例報告に続いて、軽度認知障害(MCI)について解説、「MCIを含めると800万人とされる認知症、及び予備軍に対して、糖尿病予防など適切な治療と医師の関与が大切です」と訴えました。

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特別講演では、脳血管内治療の分野で本邦でも有数の治療件数を誇っている昭和大学藤が丘病院脳神経外科の寺田友昭教授が、『脳卒中に対する最新の脳神経血管内治療』と題して発表されました。寺田教授は、頚動脈閉塞症の新たな治療法として「非急性期の頚動脈が完全に詰まった症例でも、フローリバーサルメソッドを用い、手技中に発生した血栓が末梢に飛散しないようにして、閉塞血管をガイドワイヤーで貫通させ、その後PTA/ステントを行い安全に再開通させることができます」と、頚動脈完全閉塞症の患者さんに対しても安全に血管内治療ができるようになったなど、独自に開発した治療法を紹介するとともに、その他の最新治療についても分かりやすく講演しました。

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最後に、康生会武田病院の滝 和郎脳卒中センター長を座長に、演者の皆さんで『脳卒中にならないために』として、頭痛など少しの日ごろと異なる変化や症状があった場合には、かかりつけ医への連絡や救急車を手配する、また、食事や運動など生活習慣の改善の必要性を話し合いました。

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