「心臓ドック」ではどんなことをするの?
1)心臓CT検査
動脈硬化が進むと血管の壁にカルシウムが沈着して(石灰化)血流が悪くなり、将来的に心筋梗塞の発症リスクが高くなる可能性があります。そこで、心臓ドックでは心臓を栄養する冠動脈に動脈硬化による石灰化がどの程度あるかを冠動脈石灰化スコアで評価します。
冠動脈石灰化スコアとは冠動脈に蓄積したカルシウムの量を数値化して、動脈硬化の進行度を調べるもので、スコアが高いほど心筋梗塞や狭心症のリスクが高いと考えられます。
CT検査は、検査台に仰向けに寝て心電図用の電極を装着し、心電図と同期させながらX線で撮影して心臓の血管の石灰化を映し出します。息を数秒間止める指示が何回かありますが、1回あたりの撮影時間は10~20秒程度と短時間で済みます。検査全体の所要時間は10~15分程度です。
2)心臓超音波エコー検査
超音波を使って心臓の大きさと形および動きや血液の流れをリアルタイムで観察するものです。
心臓が正常に動いており、十分な血液量を全身に送り出しているかを評価します。心不全の前段階にないかをチェックできます。
また、心臓の壁の厚さや心臓の大きさが正常かを調べることで、心肥大や心筋症などの病気の早期発見につながります。また、心臓の4つの弁(大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁)が正常に開閉しているかを確認します。弁が狭くなったり(狭窄)、血液が逆流(閉鎖不全)していないかを調べて、弁膜症(心臓の弁の異常)がないかを調べます。
検査には特別な前処置は不要で、食事制限などもありません。上半身の服を脱ぎ、胸部にジェルを塗ります。次に、仰向け、または左側を下にして横向きに寝た状態で検査を行います。胸の上から超音波プローブ(機器)を当て、超音波で心臓を撮影して、心臓の動きをリアルタイムで観察します。検査時間は15~30分程度です。
3)下肢動脈硬化度測定検査(ABI・CAVI)
血圧脈波検査は、動脈硬化の進行度を評価する重要な検査です。ABI(Ankle Brachial Index:足関節上腕血圧比)は、動脈硬化が進行して下肢の血管が狭くなったり、詰まりやすくなっていないかを調べるために行い、CAVI(Cardio-Ankle Vascular Index:心臓足首血管指数)は、動脈の硬さや弾力性を調べる検査です。ABIとCAVIを組み合わせて測定することで、動脈硬化の程度を総合的に調べることが可能で、より早い段階の動脈硬化を検出できます。
静かに横になり、リラックスした状態で両腕と両足首に血圧計のカフ(測定用の帯)を巻き、同時に血圧などを測定することで、ABIとCAVIの検査は同時に行えます。痛みもありません。特別な前処置は不要で、痛みもなく、測定時間は5~10分程度です。
4)血液検査
健診の基本検査以外に、心臓病のリスクを調べるために、NT-proBNPと甲状腺関係のホルモンを調べます。
心臓に負担がかかると、BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)というホルモンが分泌されます。このBNPの前駆体であるNT-proBNPは心臓の状態を反映する重要な指標となり、心機能が悪化すると増加します。甲状腺ホルモンは、心臓の働きに大きく影響を与えるホルモンで、ホルモンの異常があると、動悸・不整脈・血圧異常・心不全などを生じることがあります。
以上の検査を行うことで、心血管リスクを総合的に評価し、心臓病の早期発見・予防につなげることが重要です。
【実施曜日】 木曜日
【料金】 ¥38,500
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