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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆「骨粗しょう症」

2023/01/26 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

matsusuedr_s.jpg骨粗しょう症」 身長3センチ以上縮めば受診を

武田総合病院 リハビリセンター長 松末 吉隆

 

骨粗しょう症とは。

骨の強度が低下し、転倒など軽い衝撃で折れやすくなっている状態です。原因は骨を作る働きと壊す働きのバランスが崩れることです。高齢になるほど増加し、日本で少なくとも1300万人が該当するといわれています。特に閉経後の女性は骨形成のバランスが崩れやすく、70歳以上の約半数が骨粗しょう症になっています。糖尿病・リウマチ・慢性腎臓病の人もなりやすいです。

診断、治療は。

自覚症状がないため、約20%しか必要な治療を受けていない現実があります。骨折が多いのは背骨で、痛みがなくても知らない間に圧迫骨折を起こしていることがあります。身長が3センチ以上縮んだら、背骨が折れている恐れがあるので受診してください。診断は主に骨密度をレントゲンや超音波で調べます。治療は、カルシウムの吸収を促す薬、骨が壊れるのを防ぐ薬や骨の形成を促す薬を投与します。自己判断で服薬をやめたりせず、医師の指示通りに続けることが大切です。

日常生活の注意。

まずは転ばないよう気を付けることです。家の中でぶつかったり引っかかったりしそうなものを片付け、寝室にはクッション性のあるカーペットなどを敷きましょう。丈夫な骨を作るため、食事では良質のタンパク質とカルシウム、ビタミンD、Kを意識して摂ります。喫煙は骨がもろくなり、骨折も治りにくくなるので避けてください。最も大切なのは運動です。例えば片足立ちを1分、スクワット10回を1日に3回程度。また、日光浴や散歩がお薦めです。骨を丈夫にすることは健康寿命を延ばすことにつながります。転倒から寝たきりや認知症になるのを防ぐためにも、定期的な検査と適度な運動、バランスの良い食生活を心がけてください。