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Iru miru 健康通信 十条武田リハビリテーション病院 院長 真多 俊博 「腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、圧迫骨折」

2022/07/22 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


matadr.jpg十条武田リハビリテーション病院 院長 真多 俊博
「腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、圧迫骨折」

 

 整形外科の疾患は、骨折・脱臼・怪我ばかりではありません。加齢変化(老化)による体のパーツの劣化による脊椎疾患もあります。

 

 脊椎疾患で増えているのは腰部脊柱管狭窄症だと思います。他に増加しているのは腰椎圧迫骨折と思われます。一方、有名なのは腰椎椎間板ヘルニアでしょう。

 

 腰部脊柱管狭窄症は、壮年から老年の人たちが罹患します。数分たっていると下肢のしびれ・脱力や痛みが出現する、短時間の歩行で腰から臀部の痛みが出てくる、このため立ち止まって休みを取らざるを得ない。休むと症状が軽減して再び歩ける(間欠跛行)。このような症状が出ます。疾患と言うよりは加齢変化による症状です。腰椎の後方にある脊柱管(この中に坐骨神経や大腿神経の上流部に当たる馬尾神経が入っている)が、狭窄(加齢による黄靭帯の肥厚、脊椎関節突起の変形、椎間板の膨隆などによる)して腰部の馬尾神経の血流障害や圧迫障害を起こすことが原因です。老化現象のため、同時に脊椎の形も変化して側弯や後弯(腰が曲がる)、すべり(腰骨がずれる)も加わり腰の形も変わってきます。薬が効かないときは腰椎椎弓形成術を行うことが多いでしょう。腰の形を変える必要があるときはネジを使った手術を併用します。

 

 圧迫骨折は保存治療されることが多いですが、強い痛みがなかなか改善しない、痛みのため体力と知力が減退して、寝たきりに近くなった、という話もしばしば聞きます。

 

 十条武田リハビリテーション病院では、圧迫骨折に対して経皮的椎体形成術を行っています。手術直後より強い痛みが軽減します。手術翌日にはベッドから下りて車椅子に乗ることも可能になります。手術時間は30分程度、出血はハンカチが汚れる程度です。1週間で退院する人もおられます。

 

 最後にもう一つ、日本脊椎脊髄病学会・外科指導医のいる施設では腰椎椎間板ヘルニアを注射で治すヘルニコア椎間板注射も日帰りで可能です。脊椎疾患についても、是非相談してください。