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リウマチブログ

2023/04/06レポート

3/19開催市民公開講座~質問回答~

質問:リウマチ発症から35年、小腸クローン発症から27年が経過。現在生物学的製剤(アバタセプト、商品名:オレンシア)と抗リウマチ薬(MTX メトトレキサート)2mg2錠(毎週火曜)、フォリアミン1錠(毎週木曜)、アクトネル1錠(毎週日曜朝)等の服用で経過観察中です。受診は月1回、または6週間に1回でCRP値は0.02~0.04です。リウマチ因子は正常値の25.2です(抗CCP抗体4.7)。この検査結果の値でも大丈夫でしょうか。病院によっては半年、または1年に1回抗体CCPの検査があります。それでもよいものでしょうか。仮に抗CCP抗体の数値が上がった場合は、抗リウマチ薬、または生物学的製剤のどちらかを止められるのでしょうか。それよりもジャック阻害薬にした方がよいのかどうか、アドバイスをいただきたくお願いします。

回答:ご相談なさっている方のCPR値は低く、リウマチ因子は正常、抗CCP抗体も恐らく4.5が基準値と思いますので、高くありません。リウマチの治療はオレンシアとメトトレキサートを組み合わせていますね。治療が上手くいっているかどうかは、特に腫れている関節の数、程度で評価することが大切です。関節の状態も良いものであれば、ご相談の方の検査結果の値で心配する必要はないと思われます。抗CCP抗体はリウマチかどうか診断する際に1回だけ測定するのが一般的です。複数回測ることもありますが、抗リウマチ薬や生物学的製剤の減量や止められるかどうかの判断は、抗CCP抗体の数値よりは、関節の腫れや圧通などの症状、炎症反応、リウマチ因子(RF)、レントゲンや超音波検査結果などに基づいて行うことが多いです。

質問:最近グレクリンカルRAという言葉を聞きますが、この概念が明確になればRAの予防につながるでしょうか。

回答:プレクリニカルRAというのは、リウマチを未だ発症していないが、自己抗体産生など免疫学的な異常は認められる段階のことを指しています。この段階で体の中に起こっている異常のメカニズムについてさらに研究が進めば、リウマチの発症予防もできるようになる可能性があると思います。

質問:3歳違いの兄がリウマチ20年でした。私も少し心配しています。

回答:関節リウマチの発症には、遺伝的な要因と環境要因の双方が影響していると考えられています。一卵性双生児の1人がリウマチを発症する確率は15%位と報告されています。通常の兄弟であれば、この確率より低いと考えられます。リウマチ発症の環境要因としては、タバコ、喫煙の影響が大きいことが判っていますので、もし喫煙している場合には禁煙を勧めます。また、歯周病の原因菌が抗CCP抗体産生(リウマチ発症に関連する)に影響しているという報告があります。歯周病は糖尿病の発症リスクを上げ、動脈硬化の悪化因子とも関連していますので、定期的な歯科検診と歯周病の治療を受けることも勧めます。

質問:今年になってから左腕の指先(親指、人差し指)に痺れが生じます。リウマチとのかかわりは如何でしょう。

回答:手の痺れは神経の圧迫で生じることが多いです。リウマチ患者さんの場合は、手首の炎症や変形のために正中神経障害を生じることがあります。正中神経が障害されると、手の平側の親指と人差し指、中指、薬指半分のしびれ感が生じます。リウマチとは関係なしに、正中神経障害を生じることはありますし、首の骨(頸椎)、胸郭の出口(鎖骨辺り)、肘の部分で神経が圧迫されて、手指のしびれが生じることもあります。

質問:生物学療法を受けてから1年3か月になりますが、寛解という希望があるのでしょうか?現在は7週間に一度受けています。帯状疱疹の予防接種も受けたり、栄養面にも気を付けています。年金暮らしなので、費用の方も気になります。宜しくお願い致します。

回答:「寛解」というのはまずは腫れや痛みのない臨床的寛解、関節破壊の進行しない構造的寛解、日常生活を不便なくおくれる機能的寛解、という段階があります。お薬を使いながらこういった段階を経て、深い寛解が継続しているのであれば、患者さんと話あいながら少しづつ薬を減らしたり間隔をあけたりということをしています。7週間というのが期間短縮してそうなのか、間をあけてそうなのかがわかりませんが、寛解に達していないなら治療強化や変更、寛解が得られているなら間隔をあけたりいったんやめたりはあると思います。医療経済的には生物学的製剤もいろいろ後発品がでてきていますので主治医に相談してみてください。

質問:リウマチと緑内障、呼吸器系の病気とリウマチの関連性について詳しく知りたいです。

回答:リウマチ自体では強膜炎という目の病気やドライアイは合併しやすいですが、緑内障や白内障についてはステロイドをお使いでしたら薬の副作用という可能性はあると思います。肺についても同様で、リウマチそのもので生じる可能性があるリウマチ性間質性肺炎や様々なリウマチ性肺病変と、治療薬による副作用での肺病変がありえると思います。

質問:骨折等により安静が必要な患者さんが入院した場合の疼痛緩和や精神的なケアを教えてください。自宅で手軽に行えるリウマチ体操の内容を教えてください。

回答:おそらく椎体の圧迫骨折ではないかと推察しますが、PTH製剤など疼痛に有効な骨粗鬆症治療薬がありますので、使用をご検討ください。なるべく早く離床を促しリハビリのむけてポジティブに捉えることができるようサポートをお願いします。リウマチ体操についてはDVDが提供できますので利用してください。(※下記の当院ホームページもご参照下さい)

リウマチ患者さんに推奨されている運動
リウマチのリハビリテーション

質問
初めは親指付け根が2年ほど続いており、痛みが手首にも広がってきた為に整形外科受診を始めた所です。 両手首です。 何もしていなくても 軽く触っても手首が痛くて打った様な突き指の様な外れそうな腫れた感じのジーンとした痛みがあります。 痛みは沿って上腕にも出ている日もあります。 手首のエコー検査では、まだリウマチは見受けられないが痛みが続いているのと年齢からリウマチが今後出てくるかも知れないとの診断を頂きました。家族歴は無しです。 血液検査は結果待ちで健康講座の後に出るのですが、不安な今のタイミングでリウマチについて学ばせて頂けるのが大変嬉しいです。 現在ロコアテープを頂き約2週間、毎晩就寝時に両手首に貼っています。しかし朝テープをはがして生活を始めると動かさなくても、外れそうな感じの痛みがずっとあり、手は使えていますが時々家事動作でビーンと強い痛みが更に走ります。 この様に昼間に手首両方に痛みがずっとある事が辛く、恐々家事をしている状況で、これからリウマチが悪化するのか、違う病気の前触れなのか...痛みが続く毎日に手が使えなくなるかも知れない不安がつのります。 今後、悪化して本格的にリウマチ診断が出てしまってからお薬と治療が始まるまでの初期の曖昧な時期だとしたら現段階で悪化させない様にする事と、この痛みを何とかして寛解させたい気持ちです。 この様な症状の患者は今後どのような治療になりますか? また、 一日中続く痛みの緩和の為に過去にリウマチ予備軍の患者さんが取り入れていた事、するべき事、 たとえば鍼治療やお灸、漢方薬やサプリや自分自身で取り入れても良さそうな情報、 リウマチ予備軍患者の正しい病院のかかり方 など何なりとアドバイス頂けましたら幸いです。 宜しくお願い致します。


回答:関節リウマチのよる関節痛の場合、腫れや熱感がある時には冷湿布を、こわばりが強い時には温湿布や入浴を勧めています。家事などで関節に負荷をかけた後に、炎症が悪化することもあるため、サポーターで保護するのも良いでしょう。数週間以上、関節のこわばり・痛み・腫れがあるなど関節リウマチが疑われる場合には、リウマチ専門医に受診することを勧めます。リウマチ学会のホームページから、都道府県名を入力すると専門医がいる医療機関を調べることができます。

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