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リウマチブログ

2020/04/13レポート

市民公開講座が中止となりましたので、事前に頂いていた個別相談をスタッフ一同でお答えいたします。その1

質問1

リウマチを発症して約30年、消化器疾患を発症して20年以上の方からの質問。

オレンシアとMTX(メトトレキサート)、フォリアミン使用中。CRP0.02~0.06。リウマトイド因子18.2、抗CCP抗体4.7。抗リウマチ薬又は生物学的製剤を止めることはできますか。それよりも新薬にした方が良いですか。

回答

生物学的製剤を止める又は減量したいと考えている方は多いと思います。注射をすることが精神的ストレスという方や、経済的な負担も大きいと思います。生物学的製剤を止める又は減量するためには、いくつかの条件があります。まず、リウマチの病勢が落ち着いていることです(寛解)。おおまかには、炎症を起こしている関節(腫れている関節)がほぼ無くて、CRPなど炎症指標がほぼ正常で、これらが少なくとも半年以上続いていることです。二つ目の条件は、ステロイド薬(プレドニン等)を使わない又は必要最小量で寛解が保たれていることです。最後に、生物学的製剤を止めた後も、抗リウマチ薬(MTX等)の内服を続けることが、リウマチの再燃を抑えるために重要と考えられています。

MTXを減量あるいは中止するかどうかも、個別判断が必要です。例えば、高齢者や合併症のためにMTXによる副作用が非常にでやすい方であれば、MTXを減らす、あるいは中止することを検討します。それによって、リウマチが再燃する可能性が高い方であれば、他の抗リウマチ薬に変更する必要があるでしょう。

クローン病・潰瘍性大腸炎といった消化器疾患とリウマチには、いくつかの共通する治療薬があります。レミケードやヒュミラ等の生物学的製剤、ゼルヤンツ等のJAK阻害薬、そしてステロイド薬です。ご質問の「新薬」はJAK阻害薬のことかもしれませんが、薬を変更する際にはリウマチと消化器の病状の双方を考慮する必要があるため、まずは先生方に連携していただき治療を受けることが大切です。

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