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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 乳腺センター部長 新藏 信彦「乳がん」

2023/09/28 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

shinkura_20230928.jpg乳がん」 研究進み病状に合わせ治療

武田総合病院 乳腺センター部長 新藏 信彦

 

検査について。

以前は40代後半が特に多かったのですが、近年は60代以降の高齢でも乳がんが増えています。年を取ってから肥満になった人、お酒をよく飲む人、授乳経験のない人がなりやすい傾向です。また、約1割の人に遺伝的要因が見られます。検査はマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)や乳腺エコーで、乳房の石灰化や腫瘤(しゅりゅう)を確認します。40代以降は2年に一度、マンモグラフィー検査を受けましょう。家族に乳がんになった人がいるなど高リスク要因があれば、毎年受診してください。

治療について。

治療法は大きく分けて、乳房の局所的な治療と、全身に対する治療の二つがあります。転移しにくいタイプの乳がんなら手術や放射線といった局所の治療だけで完了することもありますが、約8割の方は、他の部位に広がらないようにするため全身の治療も必要になります。この20年くらいで乳がんのタイプ分けとそれに応じた治療法の研究が進み、全身治療は年々複雑化しています。いろいろな新薬が出てきており、タイプによってどの薬をどのような順番で使うかといった議論も盛んです。一人一人の患者さんの病状に合わせて、ホルモン療法や抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤などを組み合わせて治療を進めていくことになります。

注意点は。

ステージ1で見つかれば5年生存率は9割以上と、治りやすいがんです。一方で年約1万3000人が亡くなっており、深刻な状態になる前に早期発見・治療することが大切です。手術後も再発を抑えるため薬は決められた回数きちんと服用し、お酒はなるべく控え、体重が増えすぎないよう気を付けてください。医師のほか看護師や薬剤師などがチームでサポートしますので、あまり落ち込まず前向きな気持ちで過ごしましょう。