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Iru miru 健康通信 宇治武田病院 耳鼻咽喉科 医長 寺薗 貴浩 「副鼻腔炎」

2022/12/16 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


terazonodr.jpg宇治武田病院 耳鼻咽喉科 医長 寺薗 貴浩
「副鼻腔炎」

 副鼻腔炎ってどんな病気?

 鼻の中を鼻腔といい、鼻腔の周囲にある4つの空洞(前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞)が副鼻腔です。副鼻腔は自然口と呼ばれる通り道で鼻腔とつながっており、副鼻腔から出る分泌物や異物は自然口を通じて副鼻腔の外に排出します。副鼻腔の炎症により自然口がふさがり、引き起こされるのが副鼻腔炎です。症状は主に鼻水・鼻づまり・後鼻漏(鼻水がのどの方に流れる)・咳などの呼吸器症状で、症状が数カ月続く場合は慢性副鼻腔炎と診断され、頭痛・顔面痛・嗅覚障害などの症状も来たします。検査では、問診や鼻鏡、ファイバースコープなどを用いて、粘膿性分泌物や粘膜肥厚、鼻茸(ポリープ)の有無など鼻内を観察します。ほかにも、レントゲン写真やCTなどで副鼻腔粘膜肥厚や液体貯留の状況を確認します。

 治療は何をするの?

 治療法は、局所療法・薬物療法・手術療法です。局所療法は一般的に鼻・口から霧状の薬剤を吸入するネブライザー治療が行われますが、現在は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い当院では治療を中止しています。薬物療法としては、マクロライドの長期投与が一般的となっており、これに従来からの粘液線毛機能改善薬、消炎酵素薬、漢方薬などが組み合わされます。短期間でも効果が認められればその時点で投与終了としますが、長期投与する場合は原則として3カ月間を目安に投薬します。効果が見られない場合は手術加療を検討することになります。

 手術は不安です。

 当院では内視鏡システムを導入し、副鼻腔手術も行います。従来の内視鏡より細径となったことで患者さんの負担が減りました。病態や全身の状態などにもよりますが、局所麻酔下での鼻茸切除術や全身麻酔下での鼻副鼻腔内視鏡手術、下鼻甲介切除術や鼻中隔矯正術などが可能です。術後も適切な処置の継続や内服・点鼻薬の使用が必要となります。
 患者さんごとに適切な対応をご説明しますので、気軽に相談してください。