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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 皮膚科部長 松井 美萌「アトピー性皮膚炎」

2022/08/25 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

20220825ijinkaimatsuidr.jpg「アトピー性皮膚炎」 自己判断せず、まずは受診

武田総合病院 皮膚科部長 松井 美萌

 

アトピー性皮膚炎とは。

かゆみを伴う湿疹で、顔、首、体幹部、四肢では対称性に生じます。良くなったり、悪くなったりという慢性の経過をたどります。アトピー素因といって本人や家族にも、ぜんそくや花粉症、アトピー性皮膚炎を持つことが多いです。アトピー性皮膚炎は乾燥肌がベースにあり、皮膚のうるおいによるバリアの力が弱く、刺激を少し受けただけでもかゆくなりやすいです。皮膚の深部にも炎症が生じ、かくと炎症が刺激されて、かゆみが強くなるという悪循環が起こります。

診断と治療は。

問診や皮膚の状態を診て、時には血液検査の結果も参考にしながら判断します。アトピー性皮膚炎と診断したら、かゆみやざらつきがひどい皮膚炎には、ステロイド外用剤や、タクロリムス・デルゴシチニブなどの軟膏(なんこう)を用います。併せて乾燥肌を緩和するヘパリン類似物質やワセリンなどの保湿剤を処方、抗ヒスタミン薬を服用することもあります。ステロイドに忌避感を持つ人もいますが、強さ、皮膚の部位、塗る期間を考慮して処方しますので理解して塗布することが大切です。悪化するとウイルスや細菌感染、目の症状などが起こることがあります。塗り薬や服薬でも症状が改善しない時は、注射薬などを使用し効果がでる場合もあります。この15年で治療法の研究も進み、新薬も出ていますから、自己判断せずに皮膚科専門医へ相談してください。

生活上での注意。

肌をごしごし洗いすぎないこと。衣類やタオルは自然素材に、石けん・洗剤の選択にも注意しましょう。また、室内温度やお風呂の湯温は、やや低めに設定してください。ストレスでも悪化するので、規則正しい生活を心掛け、行動を制限するのではなく気分転換やリラックスできる時間を作ってください。