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Iru miru 健康通信 武田総合病院 泌尿器科 部長 寒野 徹 「前立腺がん」

2022/04/16 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


kannodr01_s.jpgのサムネイル画像武田総合病院 泌尿器科 部長 寒野 徹 「前立腺がん」

 前立腺がんとは?

 前立腺は男性のみにあり、膀胱の下で、尿道の周りを取り囲んでいる栗の実大の臓器で、精液の一部に含まれる前立腺液を作っています。前立腺がんは早期に発見すれば根治することが可能で、多くの場合比較的ゆっくり進行しますが、進行すればリンパ節や骨に転移し、つらい痛みを生じます。このがんは近年急速に増加しており、日本男性のがん罹患数第1位であり、高齢になるほど増加する典型的は「高齢者がん」です。早期の前立腺がんの多くは無症状で、検診や採血で発見されることが大半です。

 検査方法は?

 まず行うのは、血液検査であるPSA検査で、前立腺がんを早期発見するための最も有用な検査です。年齢にもよりますがPSAの基準値は一般的には0~4ng/mLとされています。PSA値が4~10ng/mLをいわゆる「グレーゾーン」といい、25~40%の割合でがんが発見されます。自覚症状、PSA値などから前立腺がんの疑いがある場合、診断のために細い針で前立腺を刺して組織を採取する前立腺生検を行います。生検で前立腺癌が見つかった場合、病気の広がり(転移)を調べるため、CTなどの画像検査を行います。

 治療方法は?

 前立腺がんの治療法は、手術(外科治療)、放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)、監視療法、化学療法などです。病気の広がりの程度(病期)、PSA値、腫瘍の悪性度、リスク分類、年齢、期待余命、患者さんの治療に対する考え方などを基に、担当医と相談して治療法を選択していきます。 転移をしていない前立腺癌に対しては、手術療法と放射線療法が主な選択肢になります。手術では、前立腺と精のうを摘出し、その後、膀胱と尿道をつなぐ前立腺全摘除術を行います。前立腺は骨盤の奥にあり、負担のかかる難しい手術と言われていましたが、腹腔鏡により体への負担は減り、手術支援ロボットの導入で、より繊細で安全な手術が可能となりました。2022年4月に当院でも手術支援ロボット(ダヴィンチXi)を導入しています。