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Iru miru 健康通信 京都認知症総合センタークリニック 院長 川崎 照晃 「認知症に備える」

2021/02/19 メディア 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


kawasakidr_02.jpg京都認知症総合センタークリニック
院長 川崎 照晃
「認知症に備える」


 認知症を疑わせる状態には、どのようなものがありますか?

 年齢を重ねるうちに忘れやすくなったとか、覚えが悪くなったと思う方は多いのではないでしょうか?物忘れには、少しのヒントや時間をあけると思い出せる年齢に伴うものと、認知症の症状としてあらわれるものがあります。認知症による物忘れでは、自分の体験したこと全てを忘れてしまいます。つまり、「食事をした」「約束をした」という体験そのものを忘れたり、場所や日時が出てこないなど、時間記憶の障害を中心として、生活する上で支障を来たします。

 他にはどんな症状がありますか?

 人によっては、些細なことでも混乱してしまったり、段取りや計画がうまく立てられなくなったり、不安からイライラしたり、怒りやすくなったりもします。また、「ぼーっとして、反応が鈍い」など、うつ、意欲、自発性の低下を示す方もおられます。最近、高齢になってから起こる高齢者てんかんでも似たような症状が起こることが知られ、突然に動作をやめて、呼びかけに無反応になって、一点を見つめてじっとしていたり、口をもぐもぐさせたりしている時には注意が必要です。

 認知症の進行を抑えたり、備えるにはどうしたらいいですか?

 なかには、ある病気の一時的な症状の場合もあり、適切な処置によって改善することもあります。また、認知機能になんらかの低下はあるものの、日常生活に大きな支障をきたすまでではない、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる状態が存在することが知られています。このMCIの段階から、毎年5〜15%の人が認知症になると考えられている一方、長い観察の中でも認知症にならない人や正常に戻る人がいることも知られています。生活習慣の改善、すなわち、食習慣の見直し、適度な運動の継続による筋力・身体活動の維持や、睡眠の調節、ストレス解消などが認知機能の保持に有効です。