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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 乳腺外科部長 新藏 信彦「乳がん」

2021/10/28 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

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「乳がん」 治りやすいが早期発見 重要

武田総合病院 乳腺外科部長 新藏 信彦

 

原因は。

女性のがんでは最も多く、日本では9人に1人が罹患(りかん)しています。過度の飲酒、睡眠不足、若い時の激しいダイエット、中年以降の肥満、未経産婦はなりやすい傾向にあります。遺伝的要因も大きいため、がん経験者、特に乳がんの親族がいれば注意してください。乳がん経験者の方はご家族には30代から毎年乳がん検診を受けるよう促してあげましょう。

診断や治療は。

乳房に違和感のある人に、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)と超音波(エコー)検査を行います。マンモは高濃度乳房の発見率が落ち、エコーでは細かい石灰化が検出できないため、両方をお勧めします。異常が認められれば、MRIや生検などの精密検査をします。ホルモン療法の効果があるかないか、トラスツズマブ(乳がん治療薬)が効くか効かないかで、大きく4タイプに分けられます。乳がんと診断されたら進行度、がんのタイプや遺伝性などを調べ、最良の治療を患者さんと相談しながら進めます。どのタイプでも最終的には手術しますが、術前に薬物療法を行って、その効果を見ながら治療法を決めることも行われます。放射線治療、抗がん剤投与、ホルモン療法などを組み合わせることで根治を目指します。また、形成外科と連携し、乳房の再建もできるようになっています。

対策は。

罹患者数が多い一方でステージ1、2の生存者が90%以上と、非常に治りやすいがんです。とはいえ毎年1万2千人が亡くなっているので、定期検診を受診して早期発見と治療に努めましょう。遺伝が心配な人は、検査を受けることもできます。また、術後の再発リスクや抗がん剤治療の要不要を判断するための遺伝子検査「オンコタイプDX」が、間もなく保険適用される予定です。