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京都新聞朝刊 医療のページ 武田総合病院 乳腺外科 部長 新藏 信彦 「乳がん」

2020/10/29 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


202010_.jpg武田総合病院 乳腺外科 部長 新藏 信彦 「乳がん」

保険で遺伝子検査が可能に

発症について。

原因は明らかになっていませんが、初潮の若年化と閉経の高齢化により、女性ホルモンのエストロゲンにさらされる期間が長くなることが一つの要因と考えられます。他にも、閉経後の肥満、若い時の痩身(そうしん)、飲酒や運動不足などが乳がんのリスク因子とされています。日本の発症数は年間約9万人と増加傾向で、40代後半~50代が多く、家族歴があれば若年で発症することもあります。

検査方法は。

マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)検査と超音波検査の併用で、早期に発見できます。日本人は乳腺組織が多く、レントゲンで白っぽく写る高濃度乳腺が問題とされ、どうしてもマンモだけでは見つけにくい場合があります。また、遺伝性の乳がんは、BRCA1/2と呼ばれる遺伝子の変異が原因で起こるといわれています。一定の条件を満たせば、今年から保険適用でBRCA遺伝子の血液検査を受けることができるようになりました。乳がんはセルフチェックでも見つけられますが、検診はそれよりも早く発見可能です。2年に一度、家族歴のある方は1年に一度の検診をお勧めします。

治療について。

ステージ、がん細胞の種類など個々の特徴に応じて治療法を考えます。手術や放射線治療などの局所治療と、薬物療法などの全身治療があり、薬物療法は再発や生存率を左右する重要な治療です。手術はがんの広がりと部位により乳房を温存するか、全摘するかを決めます。全摘してもシリコンや自身の組織を使って乳房の再建ができ、最近では全摘するケースが増えています。抗がん剤治療は短かければ3カ月、長くて1年半、ホルモン療法は基本的には5~10年間続けてもらいます。まずは早期発見のために定期検診を受けてください。