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京都新聞朝刊 医療のページ 武田病院健診センター 所長 桝田 出 「脂質異常症」

2017/01/26 メディア 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


脂質異常症

家族性の場合には注意が必要

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武田病院健診センター 所長 桝田 出

原因と症状は。

脂質異常症は血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)が多かったり、善玉コレステロール(HDL)が少ない状態です。放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。主な原因は食べ過ぎや運動不足などの生活習慣ですが、遺伝による家族性高コレステロール血症では10~20代から動脈硬化が進み、心筋梗塞や突然死のリスクが高いので早期発見が大切です。

診断について。

脂質異常症は健康診断などの血液検査で発見されることが多いです。診断基準は、LDL140mg/dl以上、HDL40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上です。家族性高コレステロール血症では、LDL180mg/dl以上であること、2親等以内で若いうちから冠動脈疾患を起こした人がいる、肘、膝、アキレス腱(けん)にコレステロールの塊(黄色腫)や黒目の周りに白い輪があるかなどをチェックします。

治療について。

バランスの良い食事でカロリーを抑えましょう。健常者は卵などのコレステロール制限は推奨されていませんが、脂質異常症の方には当てはまらないので注意が必要です。不飽和脂肪酸はLDLを下げることから、植物性の油を使用し、魚は生で食べるなど調理方法の工夫も大切です。運動はHDLを上げるので、ウオーキングなどの有酸素運動を継続的に行ってください。食事や運動だけでは下がらない場合は薬物療法でLDLを目標値まで下げることが重要です。最近、脂質や血圧を下げる薬は飲んではいけないという報道もありますが、続けて服薬しないと脳卒中のリスクが7倍になるという結果が出ています。コレステロール値が下がっても継続して服薬しましょう。