
益田 郁子
- 部長
2013年のリウマチセンター発足以来、当センターでは関節リウマチをはじめとする膠原病の患者さんに、診断・内科的治療・外科的治療・リハビリテーションを含めた包括的なケアを行っています。
特に関節リウマチに対しては、的確な診断と個々の患者さんに合った薬物治療を早期に開始し、安心して継続できるよう、多職種のスタッフが協働して療養を支えています。
また、関節の手術が必要となった患者さんには、リウマチ内科医と整形外科医が併診し、手術前後から退院後まで、薬物治療・リハビリ・生活環境の調整を含めた切れ目のないケアを提供しています。
さらに、関節破壊が進行した患者さんや、合併症のために治療の継続が難しい患者さんに対しても、多角的な視点でサポートし、関節機能の維持と生活の質の向上をめざしています。
関節リウマチは、関節やその周囲の滑膜に炎症が起き、関節の腫れや痛み、こわばりを引き起こす代表的なリウマチ性疾患です。国内では約70~80万人の患者がいるとされ、特に30~50代の女性に多くみられます。
発症初期の1~2年で関節破壊が進むことが多く、早期診断・早期治療が重要です。当院では、血液検査やレントゲンに加えて、関節エコーやMRIを用いた超早期診断に取り組んでいます。
このような症状が2週間以上続く場合には、リウマチ科で診察を受けましょう。

必ずしも対称性とは限らない

関節を動かしづらい、しっかりと握れない

体のだるさや微熱が続き、食欲も低下

高齢者は関節症状を訴えない場合もある

変形性関節症、痛風、乾癬性関節炎、膠原病などと区別が必要
レントゲンでは初期変化が分かりにくいため、エコーやMRIで早期変化を評価
炎症反応、自己抗体、貧血、肝臓、腎臓の働きについて調べます。
早期診断のためには、腫れている関節が1カ所でもある場合、専門医の評価を受けることが重要です。

関節リウマチの治療目標は「炎症を抑え、関節破壊を防ぐこと」です。治療は薬物療法が中心で、必要に応じてリハビリテーション、外科的治療も行います。

リウマチの進行を根本的に抑える薬。代表的な薬はMTXメトトレキサートです。
MTXによって炎症を抑える作用をもつ物質(アデノシン)の産生が増え、葉酸の代謝がブロックされると炎症細胞の増殖や炎症性サイトカイン産生が減少し、関節の炎症(滑膜炎)が抑えられます。

炎症を引き起こす物質(TNF・IL-6など)を標的とした注射薬。
関節破壊抑制効果が高く、従来の薬で効果不十分な場合に使用します。

炎症シグナルを遮断して症状を改善します。
内服薬ですが、生物学的製剤に匹敵する効果が期待できます。

炎症や痛みを一時的に抑える目的で使用。
できるだけ抗リウマチ薬の効果が出るまでの補助的使用にとどめます。

重度の関節変形や破壊がある場合、人工関節置換術(膝・股・肘・手指など)や腱再建術を行い、痛みの軽減と機能回復を図ります。
関節リウマチの治療は、長期的な視点をもって行うことが大切で、近年ではT2Tという理念に沿って治療を進めます。
T2TとはTreat to Target(目標達成に向けた治療)の略で、どのような症状の患者さんであれ、寛解または低疾患活動性という明確な目標に向かって治療していく考えです。定期的に関節の腫れや痛みを把握し、その評価に基づいて治療内容を調整していきます。
これらを達成し維持できれば、「治癒」に近い状態になります。

寛解を維持することで、関節の変形を防ぎ、痛みのない生活を目指します。
| 医師 | 日本リウマチ学会指導医 | 2名 |
|---|---|---|
| 日本リウマチ学会専門医 | 3名 | |
| 看護師 | 日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師 | 3名 |
| リハビリテーション科 | 日本リウマチ財団登録理学療法士 | 2名 |
| 薬剤部 | 日本リウマチ財団登録薬剤師 | 1名 |
| 検査科 | 日本リウマチ学会登録ソノグラファー (関節超音波検査に従事) |
2名 |
| 外来クラーク | 日本リウマチ学会リウマチ相談員 | 1名 |

内科・整形外科の医師を中心に、看護師や理学療法士、薬剤師、総務スタッフなどが連携しながら情報を共有しています。
さらに、必要に応じてグループ内の施設(たけだ膠原病リウマチクリニックなど)とも協力し、安心して治療を受けていただける体制を整えています。
当院では、関節の状態を正確に評価し、治療・リハビリ・多職種連携を通じて、患者さんが安心して治療を続けられる体制を整えています。病気や健康に関するわかりやすい情報提供や患者さん同士のつながりも大切にしています。

関節の状態は、診察に加えて関節超音波検査やMRI検査を用いて詳しく評価します。
腫れている関節の数や、押して痛みのある関節の数などを数値として記録し、病気の活動性を客観的に把握します。これにより、寛解や低疾患活動性に達しているかが分かりやすくなり、患者さんと医療スタッフが同じ情報を共有しながら治療を進めることができます。

リハビリテーションは、リウマチ治療において日常生活の質を維持・向上させるために重要です。歩行や動作が難しくなっている方には、リハビリを目的とした入院を提案することがあります。外来では、週1回程度のリハビリを行い、ご自宅での自主トレーニングにつなげます。理学療法士・作業療法士が関節の動きや変形の程度を評価し、医師や装具士と連携して、中敷きやリウマチ靴、サポーターなどの装具を検討・作成します。

リウマチ診療では、内科的治療と外科的視点の両方が重要です。
当院では、リウマチ科と整形外科が連携し、薬物治療・リハビリ・手術の適応について総合的に検討します。関節の痛みや変形、機能障害について、患者さんの生活背景も踏まえた治療方針を提案します。

間質性肺炎やCOPDなどの呼吸器疾患、糖尿病・高血圧などの生活習慣病、これまでの治療歴を整理し、医療スタッフ間で共有します。
ご希望の患者さんには、ご自身の健康状態が一目で分かる資料を配布したり、患者さん同士の懇親会・交流会を開催しています。同じ病気と向き合う方々が情報や経験を共有し、安心して治療を続けられる場づくりを大切にしています。
リウマチ通信Vol.79(検査の役割/運動で変わる炎症~マイオカインの役割~)
リウマチ講演会・懇親会のご案内
リウマチと歯の健康
クリニックでの外来診療についてお知らせ
当院敷地内の大きな桜が満開をむかえました
門場 啓一郎
京都大学医学部附属病院
免疫・膠原病内科
木曜日 午前診 / 土曜日(第2・4・5週) 午前診
※予約優先
診療時間
9:00~12:00(受付 8:30〜12:00)
13:00~16:00(受付 12:30〜16:00)
17:30~20:00(受付 16:30〜20:00)
土(午後)・日・祝日
面会時間
13:00~19:00
※患者さんの病状によっては面会制限があります。
※必ず各病棟スタッフステーションにお声掛け下さい。
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