リハビリテーション科
理念・方針
理念
高い専門性と寄り添う姿勢が、未来を拓く
私たちは、確かな専門性と温かな支援を両立し、患者さん一人ひとりの「その人らしい生活」の実現を目指します。
基本方針
- 急性期から生活期まで切れ目のない支援
- 安全で質の高い機能回復の追求
- 患者さん主体の目標設定
- 多職種協働による包括的支援
専門性
理学療法(PT)
基礎練習から生活へ
“できる”を、その先の暮らしにつなげます
理学療法では、立ち上がり・歩行・階段昇降などの基本動作を練習します。
まずは筋力やバランスを整える基礎練習を行い、そのうえで退院後の生活を見据えた実践練習へとつなげていきます。
1. 生活を意識したリハビリ
屋外歩行、公共交通機関の利用、買い物練習など、実際の生活場面を想定した練習を行い、「生活の中で使える力」を育てます。


2. 脳卒中後の歩行再建
装具チームと連携し、歩行練習に加えて低周波治療(電気刺激療法)も併用しながら、安定した歩行の再獲得を目指します。適切な治療用や生活用の装具を選定させていただきます。


3. 骨折など整形外科疾患への対応

痛みや筋力低下に配慮しながら、安全な歩行の再獲得と再転倒予防に取り組みます。疼痛に応じて、免荷式歩行器などを使用し、負荷量を調整して、回復を目指します。
4. 福祉用具・環境調整の支援
杖や歩行器の選定、装具調整、手すり設置などの環境調整の提案を行い、退院後も安心して生活できるようサポートします。
作業療法(OT)
その人らしい生活の実現に向けて、“できる”を一緒に増やしていきます
作業療法では、食事や着替えなどの日常生活動作をはじめ、家事・仕事・趣味など、その人にとって大切な「生活行為」全体を支援します。
身体の機能回復だけでなく、「どのような価値・役割を大切にしているのか」などの個別性を重視していきます。
患者さんだけでなく、ご家族の思いも大切にしながら、退院後の生活を見据えたリハビリテーションを行っています。
1. 目標を決める
ADOCをはじめとする目標設定支援ツールを活用し、患者さんやご家族と一緒に目標を具体化します。「どのような生活を送りたいか」を明確にし、見通しを立てながら進めます。


2. 手を使う
脳卒中後の上肢麻痺に対して、上肢装具や電気刺激療法を用い、痙縮や痛みの軽減、機能回復を目指します。道具や実際の物品を使いながら、生活の中で使える手の働きを育てていきます。


3. 生活をする
食事・更衣・トイレ・入浴などの日常生活動作(ADL)や、調理・掃除・洗濯・買い物などの家事動作を支援します。自助具や福祉用具の提案も行い、安心して生活できる環境づくりをサポートします。



4. 地域・社会へ戻る
ご自宅への家屋調査を行い、環境調整や住宅改修の情報提供を行います。
また、以下の社会参加に向けた支援にも取り組んでいます。
- 高次脳機能障害のある方への就労支援
- 自動車運転再開に向けた評価・練習支援


5. 趣味を楽しむ
創作活動や園芸などを通して、生活の中での楽しみや役割づくりも大切にしています。


6. 手外科専門リハビリテーション
当院では、手外科センターと連携し、ハンドセラピストによる専門的な上肢リハビリテーションを行っています。
手指・手関節・肘などの骨折、腱損傷、神経障害、関節疾患などに対し、術後早期から機能回復を見据えたリハビリを実施します。「治す」だけでなく、仕事や生活で“使える手”を取り戻すことを目指しています。
- 術後プロトコルに基づく可動域訓練
- 腱損傷後の段階的運動療法
- 神経障害に対する感覚再教育
- オーダーメイド装具(スプリント)作製
言語聴覚療法(ST)
病気や事故などにより、「話す」「聞く」「理解する」「飲み込む」力が低下した方に対して、その人らしい生活を取り戻せるよう支援・練習を行います。
コミュニケーションや食事は、生活の質に大きく関わる大切な力です。
機能の回復だけでなく、社会とのつながりや役割の再獲得まで見据えた支援を行っています。
1. コミュニケーションの練習
高次脳機能障害、失語症、構音障害、難聴などに対して総合的に評価を行い、その方に合った方法で支援します。
- 注意・記憶・感情コントロールの支援(高次脳機能障害)
- 「話す・聞く・読む・書く」の再建(失語症)
- 発声・発音の練習(構音障害)
- 聞こえに配慮した環境調整(難聴)
日常生活だけでなく、復職や社会参加も見据えた支援を行います。
自動車運転再開支援については、作業療法士を中心に、多職種で連携しながら評価・支援に関わっています。
今後は、高次脳機能障害のある方への就労支援の充実にも取り組んでいきます。



2. 嚥下(飲み込み)の練習

安全に食事ができるよう、評価・検査・環境調整・訓練を行います。
嚥下造影検査(VF)、嚥下内視鏡検査(VE)などを実施し、飲み込みの状態を詳しく確認します。
さらに、ジェントルスティム(表面電気刺激装置)や低周波治療を用いて、飲み込みに関わる筋肉へ適切な刺激を与え、機能改善を目指しています。
必要に応じて実施し、医師やNST・SSTと連携しながら、適した食事形態や姿勢を検討します。
3. 予防への取り組み

入院患者さんやご家族向けの勉強会を開催し、嚥下障害や誤嚥性肺炎予防についての啓発活動も行っています。
部門紹介
人員構成(2026年現在)
| 運営・教育 |
所属長 1名 / 教育担当 1名 |
組織の舵取りとスタッフ育成 |
|---|---|---|
| 回復期リハ |
PT 28名 / OT 25名 / ST 10名 |
多職種協働による生活再建 |
| 地域包括・外来・手外科 |
PT 8名 / 手外科OT 6名 |
専門技術と地域移行支援 |
| 訪問リハ |
PT 5名 |
在宅生活の定着サポート |
理学療法士(PT):47名、作業療法士(OT):35名、言語聴覚士(ST):12名
退院後フォロー体制
退院はゴールではなく、新しい生活のスタート
その後も切れ目なく支えます
退院後の生活では、入院中とは異なる課題や新たな目標が生まれることがあります。
私たちは、患者さん一人ひとりの生活に寄り添いながら、安心して在宅生活を続けられるよう継続的にサポートします。
1. 訪問リハビリテーション
退院後も、住み慣れたご自宅で安心して暮らせるように
当院では、回復期リハビリテーション病棟を退院された患者さんが、在宅でも安心して生活を続けられるよう、退院支援の一環として訪問リハビリテーションを行っています。
住み慣れたご自宅であっても、入院中とは異なる課題や新たな目標が生まれることがあります。私たちは、患者さん一人ひとりの生活に寄り添いながら、無理のない形で在宅生活へ移行できるよう支援します。
2. 外来リハビリテーション
通院が可能な方には、外来リハビリテーションで機能の維持・向上を図ります。
生活の変化や新たな目標に合わせて内容を見直しながら、より充実した生活につながる支援を行います。
3. 装具外来でのフォロー
退院後も装具の適合確認や調整を行います。
身体機能や生活環境の変化に応じて見直しを行い、安全で快適に使用できるよう継続してサポートします。
設備・先進機器
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ポケットエコー
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低周波治療器(ESPURGE/NM-F1)
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免荷歩行器「POPO」
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活動量計
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ADOC(iPadアプリ)
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ジェントルスティム
当院の学術活動・資格
回復期実績(2024年度~2025年度)
| 在宅復帰率 |
92.2% |
|---|---|
| 実績指数 |
48.7(2025年1月時点・6カ月計算) |
| 平均在院日数 |
脳血管82.2日/運動器55.1日 |
| 1日平均提供単位数 |
7.16単位(2時間23分) |
| 疾患別割合 |
脳血管64.3%、運動器31.0%、廃用4.0% |
| 退院前訪問指導割合 |
46% |
| 経管栄養離脱率 |
36%(2023年)、48%(2024年) |
