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リウマチブログ

2021/04/13レポート

4/4開催リウマチ市民公開講座~質問回答~

質問
発症して治療を始めて4年目、メトレートとレミケードを併用して治療にあたっていたが寛解ではなく完治を望み挑戦、
相談のうえレミケードを1年やめていたが、痛み方、手のこわばりがひどくなりレミケードを3ケ月前より始めるも、肩の痛みが
とれず、、右足屈伸できなくなる。普通の生活がしたい。痛みのない寛解を望みならレミケードから他の生物学的製剤に変えた
方が良いか。(63歳男性)

回答
レミケードで寛解し、中止したところ再燃し、レミケード再開したが2回目が初回のようには効かないというケースのようです。
しばしばあります。他剤へのスイッチをお勧めします。この場合、抗TNF製剤(エンブレルやシムジアのような)でもそれ以外
の薬剤(アクテムラやJAK阻害剤のような)でもよいと思いますが、再度寛解したら中止ではなく、減量や投与間隔をあける
といった形をとるのがよいと思います。

質問
自己免疫疾患のリウマチに幹細胞の治療は効果的ですか?

回答
iPSの治療や間葉系幹細胞治療のことをいわれているのかと思います。軟骨の再生などには今後期待がもてますが、
まだまだ研究段階です。リウマチの内科的治療としては目立った研究成果はでていないと思います。

質問
私は17年前、36才の時に診断を受けています。
遺伝の心配もしていて、将来娘も発症するかもと心配を持っていました。(女性の発症が多いと思い込んでいました。)
昨年、25才の息子が診断を受け貴院にお世話になっています。とても驚きショックでした。
リウマチは必ずしも遺伝することはないと理解していましたが、実際はどうでしょうか?
発症年齢や症状は変わってくるのでしょうか。息子は発症に気付くのが遅れたと思うので娘が発症していないか気を
つけたいと思っています。複数のリウマチ患者のいる家族の状況を知りたいです。

回答
(講演でもお答えしましたが)一般的には関節リウマチの遺伝性は多少あるが強くない(20人子供を産んだら1人リウマチ
になる程度)のですが、確かに家族の中に何人もリウマチを発症するケースがあります(いわゆる遺伝病ではありません)。
ただ、そのような家族のリウマチが決して治療抵抗性というわけではなく、多くの方は治療により寛解となり日常生活を送
られています。

質問
今、ずっとゼルヤンツを飲んでいますが(61才)これからもずっとこのまま飲み続けなければならないのか?
時々痛みがひどくなる時がありますが、まだまだ痛くなるのか将来的に手も足も動かせなくなるのか?

回答
現在のリウマチの活動性がどの程度なのかはわからないので、なんとも言えませんが、寛解となっていなければ、薬の
スイッチや追加を検討されるとよいです。今や8割以上のリウマチ患者さんが、普通の日常生活を送られています。心配
はいらないと思います。

質問
メトトレキサートとサラゾスルファビリジンとタクロリムカプセルを飲んでいますが、痛みや腫れがなかなか治まれないと
主治医に相談すると、1日3回2錠ずつカロナールを飲むよう言われそのようにしています。少しは痛みがやわらいでいますが、
肝臓や腎臓などの数値が少し高めになっています。このまま飲み続けても大丈夫でしょうか?

回答
カロナールは比較的腎臓や肝臓に優しい痛み止めですが、飲み始めてから腎臓や肝臓の数値が上昇している場合は薬剤性
の可能性もあります。主治医に確認されるといいと思います。むしろ、3種類のお薬を飲んでいてリウマチの活動性が抑えられ
ていないようにみえますので、そちらの方が問題かもしれません。

質問
①2014年受診後半年は回復がみられたが(薬も変えた)それ以降変化なし→今後どうするべきか
②日常生活ではどの程度行動を制限するべきか

回答
①痛みや腫れが残っている場合には、治療薬の見直しが必要かもしれません。まずは、主治医の先生に関節の状態を診てもらう
必要があります。「炎症が残っている関節がありますか」あるいは「寛解になっていますか」と尋ねてはいかがでしょうか。
②関節炎の急性期(腫れや熱感、安静時の痛みがある場合など)には、痛みの出る動作は最小限にしましょう。ただし、一日2回
程度、痛くない範囲で最大限の屈伸・回転などを行い、関節が固まらないようにしましょう。新型コロナウイルスの流行中には、混み
合う場所への外出を避けるべきですが、家に閉じこもる生活は良くありません。体調さえ良ければ、戸外で散歩をしましょう。

質問
リウマチ発症して33年、小腸クローン発症して25年です。今現在、生物学的製剤(一般名アバタセプト、商品名:オレンシア)と
抗リウマチ薬(MTXメトトレキサート)2mg2錠(火曜日服用)フォリアミン錠1錠(木曜日服用)、アクトネル1錠(日曜日の朝 服用)
等で経過観察中で受診は1ケ月に1回又は6週間に1回です。今現在、CPR0.02~0.04の間です。リウマチ因子は正常値の
(18.2です。抗CCP抗体4.7です)そこで質問ですが、上記の検査結果でも大丈夫でしょうか?
それから、病院によっては、6ケ月又は1年に1回は抗CCPの検査があります。それでも良いでしょうか?仮に抗CCP抗体の数値
が上がった場合は、抗リウマチ薬又は生物学的製剤どちら止めれるのでしょうか?それよりもジャック阻害薬にした方が良いかア
ドバイス下さい。

回答
CRPは正常範囲で、リウマチ因子も正常とのこと、問題ないと思います。抗CCP抗体4.7というのは、僅かな上昇ですし、この値の
上下と症状はあまり関連しませんので心配しなくて良いと思います。抗CCP抗体は関節リウマチが疑われる方に対して、経過中に
繰り返し測定することがあります。一旦関節リウマチと診断がついた場合には再測定を行わないのが一般的だと思います。また、
抗CCP抗体の数値が上がっただけで、治療法を変更する必要はありません。今の治療法が効かなくなった場合の選択肢は、ジャックJAK阻害薬、オレンシア以外の生物学的製剤などを含め複数あると思います。関節炎の程度や、クローン病の状態、肝臓や腎臓の機能、これまでの治療歴などを踏まえて、主治医の先生と相談するのが良いと思います。

質問
新型コロナウイルスのワクチン接種のリスクとメリットについて

回答
(講演でもお話しましたが)感染・重症化のリスクを考えれば、有効性の高いワクチン(特にmRNAワクチン)を接種するメリットは高く、リウマチ学会でも接種を推奨しています。リウマチだからというリスクはなく一般と同様です。

質問
服用薬の副作用について
 服用薬:メトレート(週1回朝夕食後3錠ずつ)
 ケアラム錠ファモチジンD錠(1日1回1錠ずつ)
 フォリアミン錠(週1回1錠)

回答
メトレート(メトトレキサート)の副作用は、口内炎、肝機能異常など軽度なものから、間質性肺炎、血球減少など重い症状が出るものまで、様々です。フォリアミンを服用することで、軽度な副作用を防ぐことができます。患者さんに気を付けていただきたい点は、決められた飲み方を守ること、体調の悪い時(風邪症状、食欲不振、脱水など)は休薬した上で、受診又は相談をすることです。ケアラム(イグラチモド)の主な副作用は、肝機能異常、血球減少で、ご自身で気づくことは難しいので、メトトレキサートと同様に、定期的な血液生物学的製剤については当院ホームページをご覧下さい。

質問
オレンシアを毎週打っているのですが、2年前に胃がんの手術をしました。このまま打ち続けていいのでしょうか?

回答
リウマチの病勢を抑えるために必要でしたら継続してもいいと思います。オレンシアで癌の発症や再発が増えるということはなさそうです。

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