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イベント 2024/03/23

令和6年2月9日(金)「CKD医療連携を考える会」を開催しました。

CKD医療連携を考える会を開催
「連携強化で早期介入・治療継続の促進へ」 

「CKD医療連携を考える会」が2024年2月9日、京都市下京区のホテル日航プリンセス京都で開催されました(康生会武田病院、田辺三菱製薬㈱:共催)。 

 開会にあたり康生会武田病院の武田純院長は、コロナウイルス感染症の第10波の状況にふれながら、「これからも11波、12波となってもウィズコロナで、我々は現実を見据えて、このような勉強会を開かなければいけないのだろうと思います」と宣言。
続いて、「我々は塩分制限や血圧管理だけでなく、薬物的に非常に多くの治療・予防手段を得るようになってきました。同時に、腎障害の病態の研究も進んでまいり、色々なことが明らかになってきています。こうした日々の進歩をリアルタイムにアップデートしていく、このようなCKD研究会は非常に重要なものと思います」と開催の意義を強調しました。

 特別講演では武田院長が座長となり、横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科の寺内康夫教授が「腎障害の進展抑制を見据えた糖尿病治療」と題し講演しました。

 寺内教授は、2022年に改定された2型糖尿病における血糖降下薬の全般的なアプローチについて触れながら、「専門家のみならず、糖尿病をご覧になる先生方にも分かりやすいよう、薬物療法のアルゴリズムを学会がまとめました」としチャートを解説しました。

   寺内康夫先生(加工済)20240209.jpg     武田院長(加工済)20240209.jpg

 続いて、SGLT-2阻害薬のエビデンスを紹介し、「メリットが証明されたのは、あくまで標準的な治療をしている上にSGLT-2阻害薬を使った場合です。何もせずにこのお薬だけ使って腎臓の保護が得られるかというとそうではなく、血圧の管理目標、そのために使うお薬を考えなければいけません」と、病態に応じた薬剤選択の重要性を強調しました。
 「このように薬物治療がどんどん進化するなか、重要なのは治療介入の時期です。腎機能障害がかなり進行してからの介入ではなく、より早期に適切な介入をすることができれば腎障害の進展予防で大きな意味があります」と、介入タイミングでの予後の差をイメージ図で示しました。
 この介入にあたっては、「薬を継続して飲めているか、治療介入、継続ができるかは医療・介護以外の生活支援サービスとのネットワーク連携が重要」とし、具体例として自院で取り組む『横浜型モデル』を紹介しました。

 講演後の質疑応答で武田院長は、「腎機能の診断はほとんどが糸球体機能のeGFRです。昔のように腎生検をあまりしなくなったので、尿○管や間質など腎組織を総合的に診断することが少なくなりました。その観点から推測によって色々な概念が出て来ているように思います。こうした状況をどのようにお考えでしょうか」と質問。これに対し寺内教授は、「何がその方の腎障害の原因となるかが難しいため、予測が産まれているのだろうと思います。間質障害を反映する検査も複数ありますが、これに対する治療法はありません。今、可能なものとしてはeGFRに改善を与えるということで、SGLT-2阻害薬の選択ではないでしょうか。診断と治療が結びつくので、この考え方が普及しやすいだろうと個人的に思っています」と述べました。

   会場風景20240209①.jpg   会場風景20240209③.jpg   質問タイム20240209.jpg