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リウマチブログ

2020/07/30病気について

関節リウマチの診断について

梅雨空が続いていますが、セミの声は元気に夏の到来を告げています。この時期は、湿気や冷房のために、関節の痛みやこわばりを感じている方もいます。早く晴れた夏空が広がるといいですね。

さて、今回は関節リウマチと診断されるまでの経緯について、お話しましょう。

症状が典型的な場合、数週間から数ヵ月のうちに、手首、手指、肩、膝、足の指等のこわばりや痛みが生じます。痛くなる関節は、数ヵ所以上ということが多いです。リウマチ専門医による問診と診察、検査を総合的に判断することによって、診断されます。関節を触って腫れや熱感を確かめてもらうことが大切です。血液検査では、CPRや赤沈などの炎症反応を認めることが多いです。抗CCP抗体が診断の役に立つとされていますが、これが陰性の方も2-3割いるため、陰性であってもリウマチでは無いとは言い切れません。発症間もない場合は、レントゲン検査で骨の変形や破壊を認めることはありませんが、骨が薄くなっていたり、時に小さな骨びらんを認めたりすることがあり、診断根拠の一つとなります。

一方、症状が軽い場合や非典型的な場合、また発症して数ヵ月以内という場合には、関節リウマチとよく似た病気と区別する必要があり、何度か通院して初めて診断が確定するという方もいます。例えば、関節リウマチと症状が似ている病気として、変形性関節症やリウマチ性多発筋痛症、偽痛風などの結晶性関節炎、その他膠原病などがあります。リウマチ性多発筋痛症は首から両肩にかけての痛みとこわばりを主な特徴とし、高齢で発症する関節リウマチと症状が似通っています。ご高齢の方は、痛みやこわばりの部位をはっきりと伝えられないこともあり、時にご家族からの病状聴取が必要です。膠原病が疑われる場合には、関節以外にも皮膚や肺・腎臓などの内臓に問題がないか検討します。関節の腫れが軽度で触診でははっきりしない、あるいは先の血液検査で異常が乏しいという場合には、関節超音波検査を行って炎症の程度を確認することもあります。

                                                    

 文責 リウマチ科 駒野 有希子

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