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レポート

2015/12/01

第5回 京滋骨を守る会講演会を開催

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骨折など骨の障害は介護や寝たきりの原因
骨粗しょう症予防など参加者学ぶ

 骨粗しょう症からの骨折など、要介護や寝たきりの危険性が高いことから、骨を丈夫にする仕組みを考える第5回「京滋骨を守る会講演会」(主催:NPO法人京滋骨を守る会、後援:公益財団法人骨粗鬆症財団)が11月28日、京都市下京区のシルクホールで開かれ、約400人の方が、骨折が招くさまざまな病気と予防について研修を深めました。

  開会に先立って、医仁会武田総合病院の森田陸司院長(京滋骨を守る会理事長、骨粗鬆症財団監事)が、「京滋骨を守る会の最も大切な事業は、市民の方々に骨 粗しょう症の危険性とその予防法について理解を深めていただくことです。自分の足で歩け、身の回りのことなども自分でできる、自立と健康寿命をさらに延し ていただくことが願いです。今、日本人の1300万人が骨粗しょう症といわれていますが、実際に治療されている人は20%に過ぎません。沈黙の疾患で突然骨折してからでは遅く、しっかり学んで、骨の健康に役立てていただきたいのです」と挨拶しました。

  はじめに、愛友会 伊奈病院の石橋英明整形外科部長が『今日を元気に過ごす!いつまでも自分の足で歩く!~ロコモ予防と骨折予防の大切さと具体策~』と題 して講演。石橋部長は、世界一の長寿国の日本でも、骨粗しょう症などの高齢者が多く不健康寿命である実態を指摘しながら、要支援や要介護になる原因として 認知症、脳卒中は15.8%~18.5%で、骨・関節疾患が25%と1位であることを強調しました。

 また、石橋部長は「骨粗しょう症の見つけ方」として、骨粗しょう症は女性に多く閉経後はとくに注意が必要。そして、背骨の骨折は知らない間に起きていることもある。20歳 に比べて身長が2㎝減は黄信号、4㎝以上は赤信号-などを挙げ、「背中が丸くなってしまうのは骨が弱くなった証拠で、うつ伏せから両手を支えに上半身を反 らしたし、両手をお尻に置いて上体を持ち上げて背筋を鍛える体操に取り組んでください」と、自ら実演。ロコモ体操を『大きな古時計』に合わせたり、『森のくまさん』を歌いながら、楽しくスクワット体操を実践できるなど訴えました。

 休憩時間には、康生会クリニック健康運動指導士の今井優科長から、全身のストレッチ運動について、会場の皆さんと一緒になって体を動かしながらわかりやすく指導。

次 は『骨太人生を目指そう~骨の健康と栄養~』のテーマで、女子栄養大学栄養生理学研究室の上西一弘教授が講演。上西教授は、骨の丈夫さは成長期のカルシウ ム摂取と大きく関係している事実を披露し、「今日、参加の皆さんも決して遅くはないので、牛乳、骨まで食べられる小魚、緑黄色野菜。大豆などのカルシウム をしっかり摂取するようにしてください」と話しました。特に上西教授は、中学生までは乳製品の摂取量は多いのに、高校時代以降は極端に減少していること に、「小、中学校で給食で牛乳、チーズなどが出ている間はしっかり吸収できているのに、高校生以後は積極的に摂らなくなっています。特に飲みたいと思わな いのが理由なので、子供やお孫さんに指導してください」と呼びかけました。

 第2部の会 場から寄せられた質疑応答の時間では森田院長が座長を務め、「ステロイドと骨粗しょう症の関係」「大腿骨骨折予防のために必要な運動」「正座の習慣はよく ないのか」といった質問に、わかりやすく回答しました。また、ロビーでは相談コーナーや骨密度の検査を行い、多くの参加者がチェックを綿密に受けていました。

 


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