スタッフからのメッセージ

看護師辻 真吏

勤務先:康生会武田病院  入職:2007年

看護のすばらしさを共有しましょう!

今までを振り返るといろいろな患者さんに出会いました。その中でも、印象に残っているのが、看護師2年目の時に受け持った患者さんです。その方は、心臓の手術を行いましたが、術後の状態が不安定で治療が長期になり、気管切開をしました。既往に糖尿病性網膜症を患っており明暗程度しか見えない状態でした。そんな中、不隠や興奮状態が連日続き、薬剤にて鎮静をしていましたが、薬剤を使用せず環境を整えることで、昼夜のリズムをつけ安心して入院生活が送れないかと介入しました。始めは薬剤を使用しないと安静が保てませんでしたが、患者さんと関わる時間を増やし、視界で把握できない分聴覚を利用して現状を説明したり、気管切開をしているため、紙に字を書く練習を行ない書いて伝える手段を獲得してもらい患者さんの不安軽減に努めました。そうすることで徐々に薬剤を使用せず夜間入眠できるようになりました。またそれまでの険しかった表情から笑顔がみられるようになり、落ち着いて治療に臨めるようになりました。そして、リハビリもすすみ、一般病棟へ車椅子で転棟できました。患者さんの不安を軽減し、ニードを満たすことで穏やかに過ごす事ができるようになりました。
この事例から、薬剤ばかりに頼るのではなく、患者さんのニードをアセスメントして看護をすることの大切さを教わりました。今でも忘れられない患者さんのひとりです。

武田病院は子育てをしながら働ける環境です

私は、結婚・出産を経験し、ワークバランスに変化が生じました。一時は子育てに専念しようかと悩みましたが、看護師としての自分も磨いていきたい気持ちを捨てることができませんでした。集中治療室に入られる患者さんは生死に関わる状態であり、患者さんはもちろんのこと家族の不安も大きいです。そんな患者さんに対し、患者は何を望んでいるのかを知り、その人らしく入院生活を送るためには看護として何が出来るのか、また、家族にとっての支援とは何か、を考えながら看護する楽しさが今も看護師を続ける糧となっています。
今仕事と育児の両立ができているのも、師長をはじめスタッフの理解と協力があってからこそ、看護師を続けられています。これからも、母として、そして看護師としての自分でありたいと思います。

入職してよかった点、仕事へのやりがい

入職した当初は自分のやりたい看護もわからないまま、日々の業務を覚えることや、疾患・器械のことを勉強するのに過ぎていったように思います。しかし、ここまで継続して勤められたのも、患者さんの日々変化する状態や、言葉では話せなくても何か伝えようとしている力や反応に嬉しさを覚えたからです。そして、患者さんに、その人らしく過ごしてほしい、そのために患者さんの手助けをしたい、と考えるようになりました。その思いは、経験を重ねることにより、患者さんだけでなく不安を抱える家族にも支援したい、と考えるようになりました。
ここまで私が成長できたのも、一人の力ではなく、尊敬する先輩たちのサポートがあったからです。今は先輩たちのように後輩育成に力をいれ、指導力・教育への知識を深めるよう努力しています。そして今以上に働きやすい職場作りをスタッフ全員で行っています。

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