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お知らせ

下京消防署・康生会武田病院「救急医療懇談会」を開催しました

H2京都市消防局の救急隊と病院の両者が実際の搬送例をもとに、救急対応力の向上をめざす「救急医療懇談会」が9月11日、 康生会武田病院外来棟3階の会議室で開催されました。当日は下京消防署8名、南消防署4名、武田病院31名が参加。質疑応答を通じて課題を炙り出し、回答を模索する取り組みが行われました。

 挨拶で下京消防署の松田真治第二消防統括課長は、「救急出動は年々爆発的に増加してきています。この夏は非常に暑いとの長期予報でしたので、いつでも増隊編成する準備をしていました。おおよそ出動数は一日あたり三百数十件に留まり、全市的に特別な救急体制をとることなく対応できました」とし、昨年10月に下京消防署に日勤中の増隊を行ったことや、今年10月から中京消防署で1隊増隊を行うなどの体制強化を説明しました。本懇談会については、「非常に勉強になる機会となり感謝しています。さらに勉強の機会を設け、しっかりと学んで救急隊をレベルアップしていきたいと」と語りました。

 

 康生会武田病院の武田純院長は、「私のモットーは『不連続であってはいけない。全てがシームレスな関係にあること』です。『チーム医療は院内だけではなく、院外も含めたものであることが大切』と着任以来、意識してまいりました。とくに救急は1秒を争う状況であり、様々な信頼関係の裏打ちに基づく、阿吽の呼吸が重要です。この観点から、消防隊の皆さんと顔の見える関係をつくる機会を設けてきました。今回も、京都市における救急活動の現況をご説明頂き、当院の強みについての情報提供もさせていただきながら、意見交換を通じてより適切な地域の救急医療を作り上げることが出来れば」と挨拶しました。

 

 その後、武田病院循環器センター・心不全センターの木下法之センター長が「急性冠症候群について」と題し講演しました。

 木下センター長は、急性冠症候群(ACS)の病態について基本的な説明をしたうえで心電図について「意外に思われるかも知れませんが、医師でも心電図を読めない方が多い。これは、他科の専門家になると心電図を見ることがないことや、そもそも心電図を正確に読むのは専門家でも難しいことによります」と説明しました。

 そして心電図について心臓の解剖図による構造的な説明を行い、「心筋全体に虚血が起こる貫壁性虚血になると、ST上昇型の心筋梗塞(STEMI)となります。ところが心内膜側だけが虚血し、STが上昇しない非ST上昇型の心筋梗塞(NSTEMI)となるのです。だから心電図を見て『STが上がってないから大丈夫』とは言えないのです」と心電図を読む難しさについて解説し、心筋梗塞の多様な心電図変化について紹介しました。

 講演の締めくくりにあたって木下センター長は、「循環器内科が対応する治療が増加するなか、私どもはできるだけ多くのことが出来る体制・設備を整え、救急治療をしっかりできるようにしています。下京を中心としたこの地域の循環器救急にお応え、これからもお役に立っていきたい」と思いを語りました。

ST:心電図のS波の終りからT波の始まりまでの部分

  

 次に下京消防署が武田病院に搬送となった3例を紹介。①心室頻脈(下京消防署日勤救急隊:森下美樹隊員)、②不安定狭心症(第二部下京救急隊:内田直希隊員)、③左半身全身麻痺(下京消防署日勤救急隊:飛田剛志隊員)それぞれのケースについて、発症した原因や発生リスク、初期観察で着眼する点、判別方法などを隊員が質問すると、木下センター長、宮井伸幸循環器センター副部長、北村和士脳卒中センター医員が、図表などを用いて丁寧に説明を行いました。

  

 

 その後は懇談会のメインイベントとも言えるフリーの意見交換です。武田純院長は急増する外国人救急対応について、「外国人の宿泊客数が日本人を始めて上回ったとの調査結果がありました。とくに下京区・南区は全国でも1K㎡あたりの宿泊部屋数が全国的にも多く、あるホテルで確認したところ宿泊の8割は外国人とのことでした。救急時の情報収集において外国語は大きな課題となると思います。救急隊のプロトコル(手順)では、こうした外国人の救急対応についてどのような病院選定をされているのでしょうか」との質問に対し、下京消防署の山副伸二救急担当係長は、「ホテルや飲食店のスタッフ等で通訳のできる方がいたらお願いし、可能な範囲で病院にお伝えしているのが現状です。路上での発生で国籍・使用言語が分からないといったケースについては、まず英語から情報収集を開始し翻訳アプリ等も活用しています」と回答。武田院長は、「当院は外国人患者受入れ医療機関認証制度であるJMIPの認定病院であるうえ、医療通訳をこれまでの5人から7人体制に増強し、対応時間帯の拡大も行っています」と、外国人患者への対応能力を強調しました。

 

 

 閉会にあたり脳卒中センターの滝和郎センター長は、「本日は正しく現場の知見を共有でき、議論を通じて解決のヒントが見えるなど、大変有意義な懇談会となりました。とくに現場での迅速な観察と病院の受け入れ体制が患者さんの予後に大きく影響すると、あらためて実感した次第です。今後も救急隊と当院が垣根を超えて連携し、地域の患者さんの生存率・治癒率向上を目指し取り組んでいくことが使命と感じています。最後になりますが、酷暑のなか日々の厳しい業務に尽力されている皆様に心より敬意と感謝を申し上げます」と謝意を表明し会を締めくくりました。

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