27.頸椎(首の骨)の数について

背骨のしくみ

人間の背骨の数は、頸椎(首の背骨)7個、胸椎(背中の背骨)12個、腰椎(腰の背骨)5個で、合計24個あります。例外的に、生まれつきの変異や長年の変性等により1~2個減ったり、増えたりする場合もあります。哺乳類であれば基本的にこの数は一緒です。


■頸椎の数が違う哺乳類もいる

意外にも、首の長いキリンや、体の大きなゾウやクジラも頸椎の数は7個です。キリンの頸椎は、1個の大きさが30cmを超えるものもあります。

哺乳類の中で例外として、ミツユビナマケモノは頸椎が9個あるのですが、おなじナマケモノでもホフマンナマケモノは6個のようです。アリクイやアルマジロも種類によって6個~10個とばらつきがあるようです。ジュゴンやマナティは6個のようです。

カエルなどの両生類は1個、カメ、トカゲ、ワニ、ヘビなどの爬虫類は8個のようです。
鳥類は、11~25個と言われ、ダチョウは16個、フクロウは20個と種類によってかなりばらつきがあるようです。このおかげで、フクロウはあんなに首をクルクルと回すことが可能なようです。

頸椎の最多記録は、アルベルトネクテスという絶滅した爬虫類の仲間で、76個もの頸椎を持っていた記録が残っています。

ちなみに、恐竜も種類によって頸椎の数は様々で、首長竜の仲間は70個以上あったようです。


■生活環境によって進化

頸椎は、頭を支える、頭を動かす、脊髄を保護するなどの大事な役割があり、それぞれの生物の生活環境などによって様々な進化の過程を経て、現在の数に落ち着いているようです。

今後の進化の具合によってもまだ変わってくる可能性があり、興味深いですね。

 

‐‐‐‐‐参考‐‐‐‐‐

胸椎は、人間は12個ありますが、犬・猫は13個、豚は15~16個、馬は18個等、哺乳類の中でもバラバラなようです。

 

 

脳神経外科 副部長
伊藤 裕

English »