病院指標
令和6年度 武田病院 病院指標
医療の質指標
- 1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 2.血液培養2セット実施率
- 3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 4.転倒・転落発生率
- 5.転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 6.手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- 7.d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 8.65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 9.身体的拘束の実施率
1.年齢階級別退院患者数
表は左右にスクロールしてご覧ください。
当院は京都乙訓医療圏の急性期病院として一般・救急医療及び高度専門医療を担い、武田病院グループの中核病院として循環器系疾患・脳血管疾患をはじめ、外科・整形外科・呼吸器科・消化器科・泌尿器科・糖尿内科・ など幅広い疾患と年齢層の診療を行っています。当院の患者層としては60代以上の患者が約81パーセントをしめており、そのなかでも循環器内科のカテーテル検査・治療の割合がトップとなっております。また,脳神経外科、心臓血管外科などの重篤な救急患者も集中治療室や脳卒中ケアユニットの設備等にて受け入れています。
2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
-
内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
内科の症例数トップは糖尿病での入院となっております。糖尿病のインスリン自己注射指導や日々の食事に係わる栄養指導について医師・コメディカルが連携を取って、患者様一人一人に最適な治療・情報を提供しています。また、糖尿病からの合併症についても他科の医師と協力し総合的な治療を行っています。次に腎臓・尿路感染、誤嚥性肺炎の治療と続きますが、合併症への適切な処置や細菌の培養検査等で原因菌を特定し、適切な抗生剤の投与を行うなどの治療をおこなっています。
-
外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
外科の症例数1位は鼡径ヘルニアに対する手術での入院になっています。こちらについては当院外科では侵襲性の少ない腹腔鏡下手術が実施できる体制を構築しており、患者様の状態によって腹腔鏡下での手術が可能となっています。次に続くのは胆のう炎の手術の入院となっています。3.5番目は虫垂炎、次に腸閉塞に対する手術となっておりますが、これらも同様に患者さんの状態によって積極的に腹腔鏡下手術をおこなっており、社較的早期に離床から退院までができるため入院期間が短期間という利点があります。また、大腸の悪性腫瘍手術などの手術にも対応しています。
-
整形外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
整形外科の症例数1位は、高齢化に伴い転倒・骨粗鬆症などで発生が増加している大腿骨頚部骨折です。大腿骨頚部骨折は手術後のリハビリが重要であり、急性期病院の当院でももちろん実施していますが、回復期リハビリテーションを担う回復期の病院等とも連携して総合的な治療管理を行っています。また変形性膝関節症に対する骨切り術や、ご高齢の患者さんでは胸椎・腰椎以下の圧迫骨折・脊椎骨粗鬆症の症例も多くなっています。これらの症例も平均年齢80歳以上は高くなっていますが、自宅復帰に向けて効果的なリハビリを提供し、入院前の生活を送れるように患者さんや家族の立場に立った取り組みを行っています。
-
脳神経外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
脳神経外科は脳梗塞、頭部外傷・頭蓋内損傷、非外傷性頭蓋内血腫の症例が多くなっています。まず1番目は脳梗塞の入院となっており、当院ではtPAやエダラボンなどの薬剤を使用した超急性期の治療を行っています。またSCU(脳卒中ケアユニット)による重症管理を行っており、早期にリハビリテーションを行い、早期回復を支える体制で治療を行っています。SCUは急性発症した脳出血や脳梗塞の重症の患者さんを治療・管理できる体制が整った病棟です。頭部外傷・頭蓋内損傷、非外傷性頭蓋内血腫は具体的には外傷による頭部の損傷・慢性硬膜下血腫等の入院が多くなっています。主に点滴による治療や急変に対する経過観察、慢性硬膜下血腫穿頭洗浄術等の手術を行った患者さんが対象の症例です。緊急の場合には入院してから、その当日や翌日に緊急手術を行うことも可能です。また脳動脈瘤に対するコイル塞栓術なども行っています。
-
心臓血管外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
当院心臓血管外科では解離性大動脈瘤、心臓弁膜症などの胸腹部大動脈疾患、狭心症などの冠動脈疾患など心臓・大血管の幅広い疾患を対象としており、心臓弁の置換術、狭心症に対するバイパス手術や解離性大動脈瘤に対しての人工血管置換術・オープン型ステントグラフト内挿術などの外科的治療を行っており、ご紹介の患者様・通院中の患者様はもちろん、緊急の心臓手術・集中治療室での管理ができる体制となっています。多くの症例で循環器内科と連携を図り、地域の患者さんに貢献できるように心がけています。
-
眼科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
当院での眼科のほとんどを占める症例は、白内障の手術症例になっております。1入院で片目の手術が66件、1入院で両目の手術を行った件数が92件となっており多数の手術を実施しています。その他の症例については入院での実施数が少ないため、表示がありませんが、硝子体切除術等や外来での手術も行っており、患者さん本位の医療を目指しています。
-
神経内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
神経(脳神経)内科で症例数が多いものは、難病指定であるパーキンソン病や脳梗塞、てんかんの診断・治療となっております。めまい・メニエール病など前庭機能障害の精査治療入院もあり、緊急の症例も受け入れています。以上のような頭蓋内の疾患については治療初期からCT・MRなどの画像診断・脳波検査・各種血液検査などを施行することで診断を速やかに行い、それに基づいて最適な投薬・点滴・リハビリテーション等による総合的な治療法を選択し、早期での日常生活への復帰ができるように心がけています。
-
泌尿器科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
泌尿器科では尿管結石の経尿道的手術での入院が最も多く、次に膀胱癌に対する経尿道的手術の入院となっております。3番目は前立腺癌の疑いの患者様への前立腺生検になっています。また経尿道的に行う前立腺肥大の手術も行っています。これらは経尿道的ということも多く、比較的短期間での入院で治療・検査が行えるようになっております。これら以外にも前立腺癌の腹腔鏡下手術や腎臓癌の手術にも対応しています。
-
呼吸器内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
呼吸器内科の症例数一位は昨年同様、誤嚥性肺炎の治療です。誤嚥とは食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことをいい、その食べ物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こる肺炎が誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎には高齢者が多く平均年齢は約85.9歳となっています。症例数2位は睡眠時無呼吸症候群の1泊2日での検査入院となっており、3番目以降は肺がんへの治療・検査入院になります。肺がんの疑いがある患者さんに対して、肺から組織を採取し異常が見られる部分の鑑別を行う検査や肺がんの抗がん剤の化学療法も行っています。
-
循環器内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
循環器内科の症例数1番目は心臓カテーテルにて不整脈の原因となっている部分を焼灼するアブレーションという治療です。アブレーションとは過剰な伝導路(心筋を動かす電気の通り道)や不整脈の焦点を焼き、不整脈を発生しなくする治療で、ほとんどの症例でクリティカルパスを用いて患者さんへの最適な治療手順・入院日数を提供できるようにしており、日々の生活への影響が極力少なくなるよう短期間での入院治療を行っています。2.4番目は狭心症の心臓カテ―テルの治療および検査入院となっており、心臓の血管の狭窄の精査やバルーンカテーテルを用いた治療を行っています。3番目は心不全の治療を多く行っています。また当院ではペースメーカーやICDの植え込みも行っています。
-
消化器内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
消化器内科の症例数トップは大腸ポリープに対する内視鏡を使用してのポリープ切除術で、短期間での入院加療を行っています。平均在院日数は2.38日です。症例数2位は胆管結石・胆管炎に対する治療です。これは主に内視鏡によって胆管に詰まってしまった結石の除去や胆管へのステント(細い筒状の医療器具)留置といった治療で詰まってしまった胆管が通常の働きをするようにしています。以下、続いて早期悪性胃癌に対する内視鏡的切除、ウイルス性腸炎の治療を行っています。これ以外にもアルコール性肝障害、胃・十二指腸潰瘍等に対する内視鏡等を使用した検査・加療入院も対応しています。
3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
表は左右にスクロールしてご覧ください。
1:UICC TNM分類, 2:癌取扱い規約
5大がんについて、集計期間に入院治療を行った初発患者の病期分類による延べ患者数、再発患者の延べ患者を示しています。UICC 病期分類とは、UICC 病期分類国際対がん連合によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の 3つのカテゴリによって各がんをⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の 4病期(ステージ)に分類するものです。がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、Stage0からStageⅣまであり、最も進行しているのはStageⅣになります。集計値をみると当院では胃癌・大腸癌・肺がんの治療割合が高くなっています。
4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
表は左右にスクロールしてご覧ください。
市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を指します。令和6年6月~令和7年5月に退院された患者さんが対象です。入院の契機となった傷病名および医療資源を最も投入した傷病名のICD-10コードがJ13~J18であるものが対象です。重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPシステム)により分類しています。在院日数は当院に入院した日から退院した日までの日数です。(DPC対象病棟以外も含む)
A-DROPシステム
- 男性70歳以上、女性75歳以上
- BUN 21dL以上または脱水あり
- 酸素飽和度 90%以下
- 意識障害あり
- 収縮期血圧 90mmHg以下
重症度分類
軽症 | 上記5つのいずれも満たさない |
---|---|
中等症 | 上記1つまたは2つを有する |
重症 | 上記3つを有する |
超重症 | 上記4つまたは5つを有する(ただし上記「4.意識障害あり」に当てはまる場合は1つでも重症とする) |
不明 | 1~5の項目のうち1つでも不明であったもの |
基本的に重症度が高くなるに従い、在院日数・平均年齢ともに高くなっています。特に中等症以上になると平均年齢が引き上がっています。
5.脳梗塞の患者数等
表は左右にスクロールしてご覧ください。
当院では、脳梗塞にて入院されたうち約91%の患者様に発症から3日以内に治療を開始しています。脳梗塞の場合、迅速な治療の開始はその後の患者さんの回復状況・ADL(日常生活動作)に大きな影響を与えることから、当院では緊急の患者さんを受け入れることができる脳卒中ケア病棟などの診療体制を確保しています。また、急性期医療を担う当院では、回復期リハビリテーションを担う回復期病院と連携し、急性期の加療後も必要な場合は転院を行い、患者様にとって必要なリハビリの提供など総合的な治療管理を行っています。
6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
-
内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
内シャント設置術は、慢性腎不全の患者様に対し皮膚の下で動脈と静脈を直接つなぐことにより血圧の高い動脈の血液を静脈の血管に流し、静脈を太くし血流を豊富にして人工腎臓(人工透析)を行う為に必要な量の血液がとれるようにする手術です。当院では患者様の状態によっては人工血管を使用したシャントも作成しています。また、長期間使用しているために発生するシャント閉塞などのトラブルに対してバルーンカテーテルを用いての経皮的シャント拡張術も実施しています。
-
外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
胆嚢結石症や胆嚢炎に対して患者様への侵襲の少ない腹腔鏡下での胆嚢を摘出する手術を数多く行っています。また、鼠径ヘルニア修復術や急性虫垂炎に対する虫垂切除術についても同様に腹腔鏡下での手術を行っています。さらに当院では胃癌や結腸癌(大腸癌)等の悪性腫瘍に対しても、胃や結腸とその周囲のリンパ節を切除するような大手術を腹腔鏡下にて行うことが可能なため、通常の開腹での手術よりも早期に退院・日常生活への復帰が可能となっています。
-
整形外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
整形外科ではやはり高齢者の大腿骨の骨折が多くを占め、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術が上位を占めています。当院では手術後のリハビリも、ある程度自院で行っているため平均在院日数は長めとなっています。また大腿の骨折観血的手術、大腿骨の人工骨頭挿入術については、平均年齢が約84歳と高齢であり、当院でリハビリを行った後にさらに長期にわたる患者様についてはリハビリ専門病院及び他施設へ転院する事があり、そのため転院率も比較的高くなっています。整形外科では変形性膝関節症などに対する人工関節置換術や外反母趾の矯正術、個々にはありませんが脊椎の手術も行っております。
-
脳神経外科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、「慢性硬膜下血腫」という脳の外側にゆっくりと血が溜まる病気に対して、頭部の穿刺により血腫を除去する為に行う手術です。また脳血栓を経皮的にで除去する手術も実施可能です。経皮的脳血栓回収術は、「主幹動脈(内頚動脈・中大脳動脈)の閉塞による急性期の脳梗塞」に対して行う血管内手術です。狭窄を起こした頚動脈に対するステント留置術、また脳にできた動脈瘤(こぶ)のコイル塞栓術(脳血管内手術)等も行っています。当院では来院後、速やかに治療の評価を行い手術を行う体制を構築しています。脳卒中センターをかまえ24時間365日の体制で患者さんの受け入れを行っております。また、くも膜下出血や脳梗塞をはじめとした脳卒中の術後で、リハビリを重点的に実施しています。
-
眼科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
入院して行われる眼科の手術でほとんどを占めるのは、高齢者の方に多く発生する目の水晶体が白く濁って視力が低下する白内障に対する水晶体再建術になっています。そのなかでも、水晶体の代わりに【眼内レンズ】と呼ばれる人工のレンズを挿入する「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)」を多く実施しています。
-
泌尿器科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
泌尿器科は経尿道的に行う尿路結石除去術が最多で、続いて経尿道的膀胱癌の手術となっています。3番目に経尿道的前立腺吊上術という比較的新しい手術を実施しています。続いて経尿道的レーザー前立腺切除術、尿管ステントの留置術となっています。この上位に該当する手術では経尿道下での手術で占められています。経尿道的・腹腔鏡下手術は開腹手術に比べ患者さんの身体的負担(侵襲)が少ない手術です。そのため手術後の入院期間も短くなっており、経済的な負担も軽減しています。
-
循環器内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
循環器内科・不整脈科では、侵襲性の高い開胸による外科的手術は行いませんが、カテーテルと呼ばれる細い管などを使った手術を行います。当院で最も症例数が多い「経皮的カテーテル心筋焼灼術」は、主に不整脈を引き起こす疾患の治療の一環として行われます。血管内を経由してカテーテルと呼ばれる細い管を心臓まで通した後、カテーテルの先についている電極を用いて異常部位を焼灼することで、不整脈の治療を行います。次に多く実施している「経皮的冠動脈ステント留置術」は、主に心臓の冠動脈が閉塞・狭窄している心筋梗塞・狭心症などの患者さんに対する治療です。「ステント」と呼ばれる金属製の細い筒を太ももの動脈などから心血管の狭窄部分まで入れ、狭窄部位を拡張した上で再度狭窄が起きないようにステントを病変部に留置します。四肢の血管拡張術は上肢下肢の動脈狭窄部位に、上記同様カテーテル・ステントにて治療を行うものです。
-
消化器内科
表は左右にスクロールしてご覧ください。
消化器内科では、内視鏡での治療に力をいれており、上位5位まですべて内視鏡で行う手術となっています。消化管に異常が認められた場合、医師の指示のもと胃や大腸、胆道などの内視鏡検査を行います。場合によっては、組織の一部を採取して、悪性腫瘍の有無を判別することも可能です。内視鏡検査の結果、消化管からの出血やポリープ・早期がんや胆管結石症を認めた場合、内視鏡的止血術やポリープ切除術・悪性腫瘍切除術、乳頭切開術等の手術を行います。また吐血など突然の消化管出血に対しては緊急内視鏡での止血術の対応も可能となっています。
7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
表は左右にスクロールしてご覧ください。
当院におきましても、患者様に手術や処置などを行う際には、術後の感染症などの合併症を起こさないように細心の注意を払い施行していますが、治療に伴って起こり得る合併症については、可能な限り事前に患者さんに説明させて頂いております。合併症については少しでも発生率を改善するべきものとし、安全で質の高い医療を目指しています。
1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
肺⾎栓塞栓症や深部静脈⾎栓症(静脈⾎栓塞栓症)は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患で、しばしば⼤きな⼿術後や⻑期臥床の際に起こります。この予防⽅法には弾性ストッキングの着⽤や間歇的空気圧迫装置の使⽤等があり、リスクレベルに応じて単独もしくは併⽤が推奨されています。周術期 の肺⾎栓塞栓症の予防⾏為の実施は、急性肺⾎栓塞栓症の発⽣率を下げることにつながると考えられております。当院では93.09%の実施率となっています。
2.血液培養2セット実施率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことがあります。特に死亡率の高い菌血症という重篤な感染症を診断する上で血液培養は不可欠な検査であり、2セット以上での実施によって病原微生物の検出感度や検査精度の向上、感染症による死亡率の低下に繋がることが期待され、当院では必要と判断された患者様に実施し2セットの実施率は72.67パーセントという数値となっています。
3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
広域抗菌薬を使用する際、近年、多剤耐性菌や幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある細菌など、抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが問題となっています。 不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、医療機関において抗菌薬の適正使用を推進することが必要となります。適切な抗菌薬適正使用のため必要となるのは、正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査を実施することが求められます。
4.転倒・転落発生率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
転倒転落発生率は退院患者の延べ数に対する転倒転落の発生件数の割合で示されます。実際に転倒転落を100%防止することは難しい現実ですが、転倒転落の発生要因を特定し、分析を行うことでより効果的な予防策を講じていき、0%もしくはそれに近い数字を維持していきたいと思います。*上記の表には数値は表示されていませんが転倒・転落発生率は0.60%です。
5.転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
こちらは退院患者の延べ数に対する転倒転落によるインシデント分影響度分類3bの発生件数の割合で示されます。インシデント分影響度分類3bとは損傷レベルが高いもの(手術や大きな処置を必要とする)をさします。この指標は転倒転落の取り組みを効果的に行えているかどうかの指標になります。*上記の表には数値は表示されていませんが転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率は0.004%です。
6.手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
術開始前 1 時間以内の予防的抗菌薬投与率は手術後の感染を予防するため、手術開始前に抗菌薬を投与した手術件数が全体の手術件数に占める割合です。手術の種類ごとの適切な投与により手術後の感染による合併症の防止や入院期間の延長・入院費の増大を防ぐことができます。当院の場合は99.56%と高い数値となっています。
7.d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
褥瘡とはねたきりなどによって体重で圧迫されている部位の血流が悪くなることによって皮膚の一部が赤くなったり傷ができたり皮膚潰瘍を起こしたりすることです。D2とは真皮までの損傷を指します。褥瘡は患者様のQOLの低下をきたし、結果的に在院日数の長期化などにもつながるため、その予防対策は非常に重要です。当院でもハイリスクな患者様には特に集中して対応を行っています。*上記の表には数値が表示されていませんが、d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率は0.11%です。
8.65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
表は左右にスクロールしてご覧ください。
入院早期に栄養アセスメントを実施することで、患者様の栄養状態が早期に把握され適切な栄養介入が可能となります。また、低栄養状態を早期に発見することで合併症や感染症の発症リスクを逓減できます。また症状の改善を促進し結果として入院期間の短縮にもつながります。当院では94.44%の実施割合となっております。
9.身体的拘束の実施率
表は左右にスクロールしてご覧ください。
身体的拘束は制限の程度が強く、また二次的な身体障害が生じる可能性があるため、代替方法が見出されるまでのやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、安易な身体的拘束は行わず、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めています。当院での実施率は8.35%となっています。
更新履歴
-
2025/09/19
病院指標公開しました