垣田 謙
- センター長
当科は、不整脈をはじめとするあらゆる症状に対処できるよう、循環器内科と密に連携し、心電図診断によるオーダーメイドの不整脈治療を提供します。
武田病院不整脈治療センターは、循環器病のひとつである不整脈を専門にする診療科です。診断困難な不整脈の心電図診断をはじめ、不整脈によると考えられるあらゆる症状に対処すべく、循環器内科と密接な連携をもって診療を行っています。
不整脈の治療の第一歩はその原因となる不整脈の確定診断となります。これは発作時あるいは症状出現時の心電図が非常に重要です。これを捉えるために運動負荷心電図や24時間ホルター心電図を行い診断します。これらの検査を行っても原因となる不整脈・頻脈の心電図が得られないときには、不整脈のカテーテル検査(臨床心臓電気整理検査)を行います。
原因となる不整脈の心電図診断がつけば、つぎは治療です。
治療としては抗不整脈薬による薬物療法、頻脈性不整脈に対しては当不整脈科の特色であるカテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)、失神などを起こす徐脈性不整脈にはペースメーカー植え込み、突然死の原因となりうる致死性不整脈には植え込み式除細動器(ICD)植え込みを行っています。
抗不整脈薬による治療が主体です。抗不整脈薬も従来のヴォーン・ウィリアムズの分類による薬剤の使い方から、シシリアンガンビットの分類による使い方に変わってきています。またさまざまな大規模研究の結果をふまえた不整脈薬の使い方をしています。
さまざまな頻脈に対して適応が広まっています。従来の上室性頻拍・心房粗動・心房頻拍に加え、心室頻拍・心房細動まで積極的に行っています。不整脈科開設(2000年11月)以来2013年3月31日までで約2800例の症例を経験し、2012年度にも年間300例以上この治療を行いました。治療時間は1時間から4時間です。これは対象となる不整脈により変動します。
意識消失、めまいなどの原因となる徐脈性不整脈にはペースメーカー治療が有効です。手術時間は1時間弱、ペースメーカー植え込みだけの手術であれば術後の安静は必要ありません。ペースメーカー植え込みは年間100例前後行っています。
徐脈性不整脈のみならず、左心室拡張をきたし心機能の低下した症例には積極的にペースメーカーを利用した心室再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy = CRT))を行い良好な結果を得ています。
心臓突然死をきたすような致死性不整脈(心室頻拍・心室細動)を発症する症例には植え込み式除細動器(ICD)の植え込みを行っています(年間約40例)。対象となる患者さんには心機能の低下した症例や、心筋虚血の強い例が多いのでCRT機能を持つICDの植え込みや、循環器内科と連携し植え込み手術を行っています。
アブレーションで治療可能な心室頻拍、発作頻度が多くなりそうな症例にはアブレーション治療も行いますが、生命予後のためICDの植え込みを行います。
ICD、CRTは認定施設でしか手術が出来ません。当院はこの治療の認定施設です。
十分なサポートのもと、心電図診断から、抗不整脈薬の使い方、アブレーション治療の戦略、テクニック、ペースメーカー植え込み術まで指導します。幸い当院では豊富な症例があり、おおいなる技術の向上が見込まれます。今後人員がそろえばカンファレンスも充実したものにし、研究活動もより活発に行っていきます。
循環器センター・心不全センター・不整脈治療センター 3科のチーム医療
心血管治療チーム 特設サイトもご覧ください。
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