成瀬 光栄
- センター長
内分泌疾患(下垂体疾患・甲状腺疾患・副甲状腺疾患・副腎疾患・性腺疾患など)、高血圧疾患の診療を行います。特に、副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、サブクリニカルクッシング症候群、褐色細胞腫・パラガングリオーマ、副腎偶発腫瘍など)の専門的診療を行います。
甲状腺は頸部(首)の甲状軟骨(“のどぼとけ”)と気管の上部の前面にあり、右葉と左葉が蝶々の羽根のように繋がった形をしています。
体の中のいろいろな代謝を調節する甲状腺ホルモン(サイロキシンとトリヨードサイロニンの2種類あります)を作っています。
甲状腺の病気には甲状腺ホルモンが不足する病気、甲状腺ホルモンが過剰になる病気、甲状腺の腫瘍があります。
甲状腺ホルモンが不足する病気 | 甲状腺機能低下症とよび、ホルモン不足により体内の代謝が低下する結果、身体や精神の活動性が低下するとともに、高コレステロール血症もきたします。橋本病と呼ばれる慢性甲状腺炎が主な原因です。 |
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甲状腺ホルモンが過剰になる病気 | 甲状腺機能亢進症(甲状腺中毒症)とよび、ホルモン過剰により、体内の代謝が亢進する結果、動悸、発汗過剰、食欲亢進、体重減少などをきたします。バセドウ病と橋本病の経過中に起きる無痛性甲状腺炎が代表的です。 |
甲状腺腫瘍 | 様々な種類の甲状腺腫瘍があります。良性と悪性(甲状腺がん)があり、慎重な経過観察、細胞診などの適応となります。当院、耳鼻咽喉科と密接に連携して診療にあたります。 |
副腎は腎臓の上に位置する内分泌臓器で、左右一個ずつの合計2つあります。いろいろなホルモンを産生して血液中に分泌し、身体の様々な働き(糖や脂肪の代謝、ナトリウムやカリウムの代謝、血圧などの)を調節する重要な役割を担っています。副腎腫瘍は副腎から発生する腫瘍で、いろいろな種類があります。
重要なポイントは、1)ホルモンを過剰に作っているかどうか、2)良性か悪性か、の二つです。ホルモン過剰や悪性が疑われる場合は手術による摘出が必要なことから、適切な診断が非常に重要です。
どんな病気か |
副腎からアルドステロン(ホルモン)が過剰に分泌される病気
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症状 |
高血圧、低カリウム血症による筋力低下など(但し約75%は血清カリウム正常) |
主な検査 |
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治療法 |
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どんな病気か |
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症状 |
高血圧(発作性、持続性)、頭痛、動悸、発汗、心筋梗塞のような胸痛、不整脈など。日頃は全く無症状で、何かのきっかけに高血圧クリーゼを示すことがある |
主な検査 |
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治療法 |
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どんな病気か |
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症状 |
特徴的な身体所見(顔が赤くまるくなる、ニキビ、項部の脂肪沈着、手足が細くなる、皮下出血など)、高血圧、糖尿病、脂質異常、骨粗しょう症など |
主な検査 |
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治療法 |
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どんな病気か |
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症状 |
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主な検査 |
クッシング症候群に準じた検査 |
治療法 |
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どんな病気か |
両側副腎が全体に大きくかつ結節が多発する病気で、コルチゾールの過剰分泌によりクッシング症候群を示すことが多い |
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症状 |
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主な検査 |
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治療法 |
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どんな病気か |
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症状 |
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主な検査 |
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治療法 |
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どんな病気か |
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症状 |
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主な検査 |
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治療法 |
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原発性アルドステロン症において、アルドステロン過剰の原因が右副腎か左副腎かあるいは両側副腎かを明らかにする検査
患者向け解説の冊子をご希望の方は、内分泌外来受診時あるいは下に記載の副腎相談窓口までご連絡ください。
【副腎相談窓口】fukujin.soudan@gmail.com
監修 一般社団法人 日本内分泌学会/編集 一般社団法人 日本内分泌学会「原発性アルドステロン症診療ガイドライン策定と診療水準向上」委員会(委員長 成瀨光栄)/発行 診断と治療社/2021年
監修 日本内分泌学会/ 編集 日本内分泌学会『悪性褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成』委員会(委員長 成瀨光栄)/発行 診断と治療社/2018年
監修 日本内分泌学会/編集 日本内分泌学会『原発性アルドステロン症ガイドライン実施の実態調査と普及に向けた標準化に関する検討』委員会(委員長 成瀨光栄)/発行 診断と治療社/2016年
編集顧問・兵庫県予防医学協会健康ライフプラザ健診センター 平田結喜緒/ 編集・医仁会武田総合病院内分泌センター・臨床研究センター 成瀬光栄・国立病院機構京都医療センター内分泌・代謝内科 田上哲也・国立国際医療研究センター病院内分泌代謝科 田辺晶代・医仁会武田総合病院薬局 馬瀬久宜/ 発行 診断と治療社/2022年
編集顧問・兵庫県予防医学協会健康ライフプラザ健診センター 平田結喜緒/編集・奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学 髙橋裕・森山脳神経センター病院間脳下垂体センター 山田正三・医仁会武田総合病院内分泌センター 成瀬光栄/発行 診断と治療社/2021年
監修・兵庫県予防医学協会健康ライフプラザ健診センター 平田結喜緒/編集・医仁会武田総合病院内分泌センター 成瀬光栄・順天堂大学放射線科 桑鶴良平・国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科 田辺晶代・森山記念病院脳神経外科 山田正三/発行 診断と治療社/2020年
編集顧問・隈病院 西川光重・国立病院機構京都医療センター内分泌代謝内科 田上哲也・伊藤病院 伊藤公一・医仁会武田総合病院内分泌センター 成瀬光栄/発行 診断と治療社/2020年
編集顧問・医仁会武田総合病院内分泌センター 成瀬光栄/編集・国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科 田辺晶代/編集協力・聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科 方波見卓行・奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学 髙橋裕・国立病院機構京都医療センター内分泌・代謝内科 田上哲也・虎の門病院内分泌センター 竹内靖博/発行 診断と治療社/2023年
編集顧問・兵庫県予防医学協会 平田結喜緒/編集・医仁会武田総合病院内分泌センター・臨床研究センター成瀬光栄・国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科内分泌・副腎腫瘍センター 田辺晶代・聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科 方波見卓行/発行 診断と治療社/2024年
監修・一般社団法人日本内分泌学会/編集・一般社団法人内分泌学会「褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン」作成委員会/発行 診断と治療社/2025年
編集・国立国際医療センター糖尿病内分泌代謝科 内分泌・副腎腫瘍センター 田邊晶代・医仁会武田総合病院内分泌センター・臨床研修センター 成瀬光栄/発行 診断と治療社/2025年
編集・医仁会武田総合病院内分泌センター・臨床研修センター 成瀬光栄/発行 診断と治療社/2025年
1.国立国際医療研究センター
国際医療研究開発費「難治性副腎疾患レジストリを活用したエビデンス創出と我が国の診療の均てん化」(分担)
2.日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業
「難治性副腎疾患の診療の質向上に直結するエビデンス創出」(代表)
3.厚生労働省 難治性疾患政策研究事業
「副腎ホルモン産生異常症に関する研究」(分担)
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