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【Iru・miru 健康通信】「手根管症候群」(十条武田リハビリテーション病院 院長 河野 茂)

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Q. どのような病気?

 手根管症候群は、手のひらの付け根にあるトンネル状の部分(手根管)で神経が圧迫されることで起こる病気です。手根管の中には、親指から薬指の一部までの感覚や親指の動きをつかさどる正中神経と、指を動かす腱が通っています。このトンネルの屋根にあたる靱帯が厚くなるとトンネル内部が狭くなり、神経が圧迫されることで、指のしびれや痛みが生じます。特徴的なのは、夜間や早朝に症状が強くなることで、手首を振ると一時的に楽になる場合もあります。また、中高年の女性に多くみられますが、年齢や性別を問わず起こる可能性があります。

Q. 症状と原因。

 主な症状は、親指・人さし指・中指・薬指にジンジンするようなしびれや痛みです。薬指の中指側がしびれる場合は手根管症候群、小指側がしびれる場合は肘部管症候群の可能性があり、疾患の見分け方のポイントになります。進行すると親指の付け根の筋肉が痩せて、親指と人さし指で物がつまみにくくなることもあります。手首を酷使する動作や、妊娠・出産、閉経、糖尿病、人工透析などが関係するとされていますが、ほとんどは原因不明です。専門医であれば、症状の出方やしびれの部位などから、問診と診察でほぼ特定できます。重症度を把握するために、神経の伝わり方を調べる神経伝導検査やMRIなどの画像検査を行います。

Q. 治療と受診の目安は?

 症状が軽い場合は、痛み止めやビタミン剤による薬物療法、装具による手首の固定、炎症を抑えるステロイド注射などの治療で改善が期待できます。それでも改善の見込みがない場合や再発を繰り返す場合には、手術を検討します。手術時間は15分程度と短時間で、術後は1週間ほどギプスシーネ固定を行い安静とします。症状が長期間続いてから治療を始めると、手術でも十分に回復しないこともあります。指のしびれや痛みが続く場合は、早めに整形外科または手外科専門の医療機関を受診しましょう。

十条武田リハビリテーション病院

院長 河野 茂

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

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