【Iru・miru 健康通信】「関節リウマチの治療最前線」(たけだ膠原病リウマチクリニック 所長 三森 経世)
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関節リウマチ(リウマチ)は関節の腫れや痛みを生じ、進行すると関節を破壊して変形していく病気です。リウマチ肺などの関節外症状を合併することも少なくありません。女性に多く、40~50歳代に好発しますが、高齢発症も増えています。近年のリウマチに対する治療の進歩はめざましく、効果の高い治療が可能となりました。
■ 抗リウマチ薬
リウマチは自己免疫疾患であり、過剰な免疫を抑える治療が中心となります。まずは免疫を抑制・調整する抗リウマチ薬を用い、その中でも週1回服用するメトトレキサート(MTX)は治療の中心です。胃腸障害が強くて飲みにくい場合には注射薬もあります。MTXが使えない場合には、サラゾスルファピリジン、イグラチモド、ブシラミンなども用いられます。
■ 分子標的薬
従来の抗リウマチ薬が不十分の場合は、炎症性サイトカインをピンポイントで抑制するバイオ製剤(注射薬)やJAK阻害薬(内服薬)を用います。これらは分子標的薬と呼ばれます。バイオ製剤にはTNF阻害薬、IL-6阻害薬、T細胞抑制薬がありますが、どれも効果はほぼ同等であり、市販後全例調査などにより安全性も確立しています。JAK阻害薬は、サイトカインの細胞へのシグナル伝達を担うヤヌスキナーゼ(JAK)と呼ばれる分子の働きを抑え、バイオ製剤と同等の効果が証明されています。
MTXや分子標的薬は、免疫抑制に伴う感染症への注意が欠かせず、使用前に結核や肝炎ウイルスが体に潜んでいないかを検査します。特にJAK阻害薬は、帯状疱疹の発症率が高いことが報告されているので、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されます。
■ 治療の目標
リウマチの治療は、症状が抑えられて正常な日常生活を営むことのできる「寛解」を目指します。寛解を達成し維持できれば、関節の破壊や変形の進行も防ぐことができます。しかし薬をやめると症状が再燃するため、治療の継続が必要です。寛解が一定期間達成できれば、減量や投与間隔の延長も可能な場合があるので、主治医とよく相談してください。
たけだ膠原病リウマチクリニック
所長 三森 経世
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。