【京都新聞朝刊 医療のページ】「人工関節と治療」(宇治武田病院 副院長 清水 長司)
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ロボット導入 手術精度向上
Q.人工関節はいつから。
人工関節の原型ができてから50年以上経過しますが、素材やデザインの改良に加え、ロボットシステムの登場などもあり、いまだに進化は続いています。置き換える部位にもよりますが、一般には膝や股関節では20年以上はもつといわれています。日本に限らず、部位としては膝関節が最も多く、次いで股関節、最近では肩や肘、足、指関節などでも増加傾向にあります。
Q.どんな手術か。
痛みを取り除く効果が大きく、関節変形が強い場合でも矯正できるのが人工関節置換術の特徴です。手術は関節面の傷んでいる部分を切り取って、関節全体あるいは部分的に人工関節に置き換えますが、膝や股関節の場合は、手術後数日で歩行が可能になり、多くの患者さんは約1カ月程度で日常生活に復帰されます。 以前は、人工関節の緩みが危惧されたため、極力運動は制限されていましたが、今では手術手技やインプラントの性能が向上したことや、筋力維持の重要性から、むしろ運動は推奨されています。
Q. ロボットの役割は
人工関節手術の正確性と安全性を高めることを可能にしたのが、手術支援ロボットシステムです。従来の手術では執刀医の経験と勘に委ねられる部分が大きかったため、骨を切る位置がずれてしまって、想定外の結果が生じることもありました。このシステムを採用することにより、正確な骨切りとインプラント設置位置の微調整が可能になったため、手術精度は格段に向上し、患者さんの満足度も上がりつつあります。
ただ、ロボットといっても独自に判断して勝手に動いたりするのではなく、執刀医がロボットをコントロールしながら通常の手技に近い感覚で手術を行いますので、安全性は十分だと考えています。

宇治武田病院
副院長 清水 長司
※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。