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武田病院グループからのお知らせ

2017.08.09 すこやか健康相談 医仁会武田総合病院 消化器センター 副部長 柏 敦文「ヘリコバクターピロリ菌について」

※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


ヘリコバクターピロリ菌について



医仁会武田総合病院 消化器センター 副部長 柏 敦文



ピロリ菌とはどんな細菌ですか?

ピロリ菌は胃の粘膜表層や粘液の中に感染、定着するらせん型の細菌です。胃炎や胃、十二指腸潰瘍、胃癌などさまざまな胃の疾患との関連が証明されています。

ピロリ菌にはどのように感染するのですか?

多くの場合4歳までの幼児期、小児期に経口感染するとされていますが上下水道などの公衆衛生が発達し近年は若年者の感染率は20%未満と低下しています。その一方で50歳代以上では80%近くの感染率が報告されています。

ピロリ菌に感染するとどんな症状が起こりますか?

幼少期にピロリ菌に感染した場合、免疫機能の発達が不十分なために持続感染状態となります。強い炎症は起こさないため、はっきりした症状が生じない場合が多いものの、長期にわたりくすぶるような炎症が持続する結果、胃粘膜の強い萎縮が生じたり、成人に達した後の胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となったりします。一方、成人で感染することは近年の日本では稀です。感染した場合には強い胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因となります。またピロリ菌感染や萎縮性胃炎は胃癌の発生母地となることが統計学的に証明された結果、世界保健機構によりピロリ菌は発癌物質に指定されており、近年になりヘリコバクターピロリ菌感染による慢性胃炎も除菌が保険適応となりました。

ピロリ菌の検査法は?

ピロリ菌感染の診断法には内視鏡検査を必要とするものとそうでなものに分けることが出来ます。内視鏡で使用する方法としては胃粘膜を観察しながら組織を採取するものです。内視鏡を必要としない方法としては血液検査や尿中の抗体を検出する方法や呼気中の二酸化炭素を分析する尿素呼気試験が行われています。
しかしながら、除菌治療を行う場合には一度は必ずその時点で胃に萎縮や慢性炎症があるかといった状態をきちんと内視鏡などで確認しておく必要があります。

ピロリ菌の除菌治療とはどのようなものですか?

胃酸を抑える薬と2種類の抗生物資を組み合わせ1週間内服する治療です。現在保険適応となっている抗生剤の組み合わせは2種類あり、治療成績としては一次除菌で70%以上、二次除菌も合わせると概ね90%以上の方が除菌に成功しているのが現状です。

除菌に成功してもまた感染することはありますか?

再感染は可能性としてはゼロではありませんが、現在の日本ではその心配はかなり低いと思われます。

では除菌に成功したらもう内視鏡検査などはうけなくてよいのですか?

いいえ。除菌治療後に発癌のリスクは下がるとはされているものの除菌治療後に初めて胃癌が発見される患者さんもおられるのが現状です。通常、少なくとも除菌成功の1年後には内視鏡で胃の状態を評価することが推奨されています。その後は胃の萎縮の程度や状態により、1年毎もしくは数年おき定期検査をおすすめしています。

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