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メディカルアドバイス

医療は常に進化しております。 最新の技術と設備を積極的に導入しているドクターたちの、現場の立場からの医療アドバイスです。

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

2015.01.17 患者さんの負担が少ない「小腸カプセル内視鏡検査」「大腸CT検診」/たけだ通信106号より

「腸」。人間の臓器のなかで最も長いことで知られています。大きく分けると、食べ物の分解・栄養の吸収を担う「小腸」と、水分を吸収し便をつくる「大腸」に分けられます。医療的にみると、「小腸」は観察が難しく病変の早期発見をどう行うか、「大腸」は〝がん〞の罹患数・死亡数が非常に多く、検診の精度を上げるとともに検診そのものの普及が大きな課題となっています。今回は、武田病院グループが取り組む「小腸カプセル内視鏡検査」と「大腸CT検診」についてご説明します。

苦痛なく詳細に観察できるカプセル内視鏡検査をはじめました

カプセル内視鏡検査は、超小型のカメラを内蔵した直径約11mm、長さ約26mmのカプセル型内視鏡を水と一緒に口から飲み込むだけの検査です。消化管全般の検査が可能ですが、特に従来の内視鏡検査では難しかった小腸の検査ができるのが特徴です。

小腸は、全長が6〜7mと長く、体の中で最も長い臓器で、従来の大腸内視鏡では届かないために造影検査などに頼っていました。カプセル内視鏡によって、「暗黒の大陸」とも称された小腸の粘膜をほとんど苦痛なく詳細に観察できるようになりました。また、腫瘍だけではなく原因不明の消化管出血や腹痛などに対しても的確な診断につながります。

当院では昨年9月から、小腸カプセル内視鏡検査の運用をスタートしました。

また、保険診療での適応はまだ限られますが、大腸もカプセル内視鏡検査も可能となりました。従来の大腸内視鏡検査が実施困難な場合に保険診療で施行できます。こちらは、近日中の運用開始をめざして準備中です。

流れと注意点について

まず、カプセル内視鏡検査は、ペースメーカーなどの電機医療機器が埋め込まれている方や消化管狭窄が明らかな方には施行できません。

視野角156度のCMOSカメラを搭載したカプセル内視鏡で撮影します。腸内でのカプセル内視鏡の移動速度に合わせて、撮像フレーム数を2または6フレーム/秒に自動切り替えしながら撮影、画像を記録装置に転送します。医師はこの画像をもとに診断を行います。

検査前日は、消化の良い食事を午後8時までに済ませ、その後は絶食です。

検査当日の朝は絶食ですが、検査中の昼食から食事再開できます。検査前日の夜と検査当日の朝に少量の下剤を飲みます。検査当日朝にセンサーを腹部に貼付し、記録装置をベルトで腰に付けます。そしてカプセル内視鏡を適量の水で飲み込みます。

検査中は院外に出ていただけます。検査時間は個人差がありますが、5時間から8時間程度です。夕方に病院へ戻り、センサーと記録装置を取り外します。

カプセルは翌日から数日以内に排便とともに体外へ排出されます。得られた画像データを専用のワークステーションで専門の医師が診断を行います。結果は後日、担当医から説明します。

小腸カプセル内視鏡検査の流れ

早期発見・早期治療へ身体への負担が少ない「大腸CT」

大腸(結腸と直腸)がんは、肺がん、胃がんとともに非常に罹患数も死亡数も多く、年々増加している疾患です。統計では、女性の死亡数の1位、男性の死亡数の3位となっており、合わせて年間4万7000人もの方が亡くなっています。早期発見・早期治療が効果的なのは言うまでもありません。ただ、内視鏡検査が不安だったり、苦痛に感じられる方も多く、もっと手軽に検査が出来る「大腸CT検診」が注目されています。

大腸CTは、大腸に炭酸ガスを注入して拡張させ、マルチスライスCTで撮影します。検査時間はとても短く10分程度です。炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されるため、検査後の膨満・腹痛はほとんどなく、また、腹部全体を撮影できるため、大腸の外側の状態まで把握できます。

検査症例(大腸がん)

通常の内視鏡検査は、ひだの裏側が見にくいことがありますが、大腸CTではひだの裏側まで観察することができます。

武田病院グループでは、人間ドックのオプション検査として実施しており、多くの方から「検査が楽だった」「気軽に検診できるので安心できる」とご好評の声を頂いています。

検査結果例

ただ、直腸脱や重度の内痔核をお持ちの場合は検査が難しくなる場合がありますので、肛門に自覚症状のある方は、事前にご相談ください。

武田病院グループ総合窓口で対応させて頂いております。お気軽にお問い合わせください。

具体的な検査の流れは次の通りです。
〈検査3日前〜前日〉
■前処置
大腸内をきれいにするために検査食や緩下剤を食べて頂きます。
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■炭酸ガスによる大腸の拡張
チューブを肛門から僅かに挿入し、炭酸ガスを注入し大腸を拡張させます。
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■CT撮影
うつ伏せと仰向けの2体位で撮影を行います。1回の撮影時間は秒程度です。
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■検査終了
普通に食事をして頂いて結構です。
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〈後日〉
■検査結果
画像診断報告書(書面)とDVDにて、人間ドックの結果に同梱しお送りします。DVDはパソコンでご覧頂けます。

たけだ病院グループ総合窓口
TEL:075-746-5100

■月曜日〜金曜日 午前8:30〜午後6:00
■土曜日 午前8:30〜午後5:00
(祝日除く)


健康診断、人間ドック、PET-CT によるガン検診のご予約及び健康診断の結果についてのお問い合わせを承ります。また、武田病院グループ各施設に関するお問い合わせにつきましても、お気軽にお問い合わせください。

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