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アスニー講座 からだを知ろう

アスニー京都で開催される、武田病院グループのスタッフによる健康講座です。

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

2012.05.23 血管美人をめざそう

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 血管美人をめざそう! ~ てがるに・きがるに・出来る食事のコツ ~


医仁会武田総合病院 栄養科 管理栄養士 和木 千尋


■食生活のチェック
1)食生活チェックシート
濃い味付けを好む。→塩分過多。高血圧の危険性。
揚げ物など油物を好む。→脂質異常症・肥満の危険性。
お菓子を人に比べてたくさん食べる。→脂質異常症・肥満の危険性。
アルコールを毎日1.5合以上飲む。→肝臓への負担、肥満の危険性。
人より食べるのが早い。→食べ過ぎの可能性、消化不良。
野菜をあまり食べない。→便秘になりがち、ビタミンやミネラル不足による肌のかさつき
1日1~2食になることがある。→栄養不足の可能性。
肉や魚、豆腐類をあまり食べない。→栄養不足の可能性。
食事に関心がない。
食事のことでストレス(負担)を感じることがある。

 ☆0~2...青信号、見直せば大丈夫
 ☆3~5...黄新号、少し危険
 ☆6以上...赤信号、改善必要

2)昨日1日食べたものを書いてみる
朝食、昼食、夕食、間食、アルコール

 ☆思い出せた人は◎(食事に関心を持ちましょう)

■病気を予防する食事
●糖尿病
食べたものは血糖として血管を流れ、すい臓から分泌されるインスリンホルモンによって細胞の中に運ばれます。インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、糖尿病の方はインスリンの働きが少し弱まっていて血糖を細胞の中にうまく取り込めません。そのため、細胞はエネルギー不足になり、血管の中では血糖がたくさん溢れて高血糖状態になります。高血糖状態が続くと、神経障害や腎症、網膜症といった合併症を引き起こす恐れがあります。自覚症状はほとんどなく、放っておくと体重の減少や、喉が渇くなど、症状が出たときにはかなり悪化している状態ですので、定期的な血液検査はとても大切です。

●糖尿病食のポイント
糖尿病食のポイントは大きく分けて3つです。

・食事量...普段食べているご飯やおやつの量を見直してみましょう
・食べ方...一日2~3回、決まった時間に食事をしましょう
・食事内容...野菜をよく食べ、ゆっくりよく噛んで腹八分目にしましょう
「糖尿病食=治療食」というイメージがありますが、肉や魚、野菜などバランスのとれた健康食なのです。

■塩分と高血圧
日本人の塩分摂取量は平成7年では12~13g、21年には11gまで減ってきています。高血圧の方の減塩目標は6gですから、それに比べるとまだまだ高いことがわかります。

1)塩分チェックシート
濃い味付けを好む。
漬物や佃煮・梅干を毎日食べる。
味噌汁やスープなど1日2杯以上飲む。
麺類の汁を飲む
醤油やソースをよくかける。
干物・塩鮭・たらこ等の塩蔵品をよく食べる。
ハムやソーセージなどの加工食品、ちくわなどの練り製品をよく食べる。
おかきや煎餅、スナック菓子を好む。

 1つでもチェックがある方はできるだけ減塩を心がけましょう。

●高血圧の原因
日本での高血圧患者は約4000万人といわれていて、70歳を超えると、男女の7割以上が高血圧もしくは予備軍の可能性があります。血管にかかる圧力が高ければ高いほどそれに対抗しようと血管壁が厚くなり、血管が狭くなります。また、狭くなった血管にコレステロールが溜まりやすくなって、やがてボロボロになります。高血圧になると心肥大を起こしやすくなり、心不全につながる可能性があります。
高血圧の原因は、塩分の過剰摂取や肥満、過度の飲酒、ストレス、喫煙、体質、遺伝などが考えられます。薬物治療が主ですが、中には食事で血圧を下げられる場合もあります。高血圧は初期症状がほとんどないため、放置していると動脈硬化が進み、やがて大きな病気を引き起こす可能性がありますので早期発見、早期治療が大切です。

●塩分を減らすコツ
どんな食品でも塩分が含まれているので、減らすことは難しいと思いますが、工夫次第で減らすことはできます。例えば、きつねうどんの汁を残すだけで半分近く塩分は減ります。つけそばのたれやしょうゆやソースなども控えめにするだけで随分変わります。ほかにも、漬物類や練り製品、肉類加工食品、インスタント食品、レトルト食品などの食べすぎに気をつけましょう。最近は減塩の製品がたくさん出ていますから、そういったものを上手く利用してください。

ポイントは、
塩分の多い食品は減らしましょう。
塩分の多い食品は工夫して残しましょう。
野菜をしっかり食べましょう。

■脂質異常症
以前は「高脂血症」と呼ばれていた脂質異常症には3つのタイプがあります。

(1)LDL(悪玉)コレステロールが多いタイプ
(2)HDL(善玉)コレステロールが低いタイプ
(3)中性脂肪が多いタイプ

コレステロールや中性脂肪はどちらも体にとって必要な栄養素で、コレステロールは細胞膜の成分やホルモンの材料になりますし、中性脂肪はもしものときのエネルギーになったり、保湿や体を温かくしてくれる効果がありますが、増えすぎると動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞などの恐ろしい病気を発症する可能性があります。コレステロールが増える原因として体質遺伝がありますが、食事によって増えることもあります。コレステロールが多い食品の過剰摂取、エネルギーの過剰摂取、運動不足、喫煙などが原因です。コレステロールが多く含まれる食品は、卵、生クリーム、バター、レバー、魚卵、肉の脂身などがあります。中性脂肪は、油物のほかご飯やパン、果物、菓子類、アルコールなどを過剰摂取することによって体内で脂肪に変えられ貯蔵されてしまいます。

ポイントは、
適切な量を守ってバランスよく食べましょう
コレステロールの多い食品は量に注意しましょう
野菜をしっかり取りましょう

■何事も継続が大事
テレビや週刊誌などで「○○ダイエットは効果がある」や「一日分の野菜が入ったジュースや青汁を飲んだら大丈夫」などいろいろ言われていますが、人に効果があったからといって自分にも同じ効果があるとは限りません。自分にあっているのかどうかは確認しながらやっていただきたいと思います。

また、麺の汁は残すとか、体重を毎日量るとか、おやつは一日一個までにするとか、明日からずっとできるような目標をひとつ考えて実践してみてください。

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