世界水準のホテルサービスを支える「ウェルビーイング」
フォーシーズンズホテル様は、カナダに本部を置くラグジュアリーホテルブランドで、北米、中南米、欧州、中東・アフリカ、アジアに至る世界135の施設を展開。古都京都においては、歴史を受け継ぎながら現代的なリゾート空間を東山に創出されています。世界水準の「おもてなし」を提供する国際色豊かな従業員をどのように支えているのか、武田病院健診センター営業部の藤岡課長が、同ホテルの非日常的な美しい空間にお邪魔し、人事アシスタントマネージャーの竹村真理様からお話を伺いました。

“縁”ある武田病院グループのサポート
藤岡 フォーシーズンズホテル京都様は、大手旅行雑誌の日本のホテル部門で第6位を受賞された人気ホテルと伺っています。世界基準のサービスと歴史との融合が特徴と言えるのでしょうか。
竹村 ありがとうございます。フォーシーズンズグループの中でも、このホテルならではの特徴は「積翠園(しゃくすいえん)」です。非常に和を感じられる空間で、外国人ゲストに特に人気があります。「平家物語にも登場する名園」とお伝えすると、日本人ゲストも驚かれます。
藤岡 800年もの歴史を感じていただける“本物”があるのは他にない大きな魅力ですね。この積翠園のある地は、以前は私ども武田病院グループの東山武田病院があり、それをフォーシーズンズホテル様が継承されたご縁もあります。
竹村 そうですね。武田病院健診センターさんには、開業前の雇用時健診以降、定期健診をお願いしています。来ていただいている産業医の先生も含め、心強い存在です。
藤岡 こちらこそいつもありがとうございます。世界的なホテルとあって、様々な国籍の従業員様がお勤めですよね。
竹村 およそ40%が外国籍であり、日本語が話せない従業員も少なくありません。課題の一つと言えるのが、外来診療が必要になるケースです。
藤岡 その場合、外国語に対応できる医療機関は竹村様が探されているのですか。
竹村 はい。外国語対応と表示があっても、その日に必ず対応していただけるとは限らず、受診先選びに苦労することが少なくありません。そこで、京都駅前の康生会武田病院さんにご相談することが多いです。
藤岡 ありがとうございます。JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)認証病院として、少しでもお力になれているのであれば嬉しく思います。
竹村 本当に心強い存在です。いつも健康診断でお世話になっている武田病院健診センターさんの向かいにあり、アクセスが良いのも大変助かっています。
心身の健康、社会的に満たされる「ウェルビーイング」を推進

藤岡 外国籍の従業員様が多いと、健康診断の説明もご苦労が多いのではないでしょうか。
竹村 そうですね。日本のような健康保険制度や定期健康診断の仕組みがない国も多いため、まず制度の説明から始める必要があります。日本では法律で義務付けられていることも、繰り返しお伝えしています(笑)
藤岡 社会保障制度そのものが大きく異なるということですね。
竹村 はい。日本は国民皆保険制度ですが、海外では任意加入が一般的な国も多くあります。ただ、フォーシーズンズホテルグループでは、健康診断や医療へのアクセスを重要なベネフィット、いわば福利厚生の一環として位置づけています。従業員が安心して働ける環境づくりは、世界共通の価値観だと考えています。
藤岡 従業員の皆様の健康維持に、非常に手厚く取り組まれているのですね。健診そのものについては、どのようなご印象でしょうか。対象者が約200名と、かなりの規模です。
竹村 対象者の数が多いのも大変ですが、、それ以上に文化や習慣の違いへの対応が毎年の課題です。「予約を忘れていた」「うっかり朝食を食べてしまった」といったケースも少なくありません(笑)。また、設定期限を過ぎても健診の予約をしていないケースもあり、その都度フォローしています。
藤岡 皆様がスムーズに予約を取ってくだされば、ご負担も軽減されそうですね。
竹村 そうですね。ただ、この“感覚の違い”を埋めるのは簡単ではありません。健診は毎年1月から開始しますので、11月末には一斉周知を行い、余裕を持って準備できるようにしています。
藤岡 健診後の結果フォローも竹村様が担当されているのですか。
竹村 健康情報は非常にプライベートな領域ですので、基本的には本人からの希望に応じて対応しています。結果の説明や再検査のサポートも行いますが、あくまでリクエストベースです。例えば、再検査に不安を感じている従業員に対し、遠方に住む親御さんがオンラインで立ち会えるようサポートしたこともあります。
藤岡 とても温かい対応ですね。御社が従業員一人ひとりに寄り添っておられる姿勢が伝わってきます。身体だけでなく、心も大切にされている印象です。
竹村 ありがとうございます。近年、WHOが提唱する「ウェルビーイング(Well-being)」という考え方が広く知られるようになりました。これは単に病気でないということではなく、心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態を目指すものです。私たちも、その視点を常に意識しながら従業員のケアに取り組んでいます。
従業員のやる気と心身の健康を促進するMVP制度
藤岡 とても素晴らしいお考えですね。健診以外で、ウェルビーイングに関する取り組みにはどのようなものがありますか。
竹村 バランスのとれた食事メニューの提供もフォーシーズンズホテルの特徴です。従業員食堂では、毎回、3つのメニューを無料で用意しているのですが、その1つは必ずベジタリアン向けのものにしています。
藤岡 従業員食堂は無料なのですか?
竹村 はい。三食無料で提供しています。深夜勤務もありますので、食事が不規則になりがちな環境でも、栄養バランスを保てるよう配慮しています。
藤岡 その取り組みはどのように始まったのですか?
竹村 開業当初は日本人従業員の割合が高く、揚げ物やラーメンなど、いわゆる“しっかり系”のメニューが中心でした。ただ次第に「もっとヘルシーな選択肢が欲しい」という声が増え、委託企業の管理栄養士の方と協力しながら改善を重ねてきました。
藤岡 従業員の皆様の声から生まれたのですね。それは喜ばれたでしょうね。
竹村 そうなのですが、ただ、ヘルシー志向が強まる一方で、「もっとボリュームが欲しい」という声もありまして(笑)。バランスを取るのはなかなか難しいですね。
藤岡 確かに、栄養だけでは満たされない“満足感”もありますね。 食事の大切さが伝わります。
竹村 実は面白い取り組みがありまして、月刊MVP従業員は「心が喜ぶメニュー」をリクエストできる取り組みも行っています。
藤岡 ええ! それは興味深いです。月刊MVPはどのような制度なのですか?
竹村 ゲストに対応するオペレーションスタッフの部門、これを支えるバックオフィススタッフの部門があり、それぞれ1名ずつ月刊の最優秀従業員賞(MVP)を選出・表彰します。そして設定日にMVPは好きなメニューをリクエストできるというものです。
藤岡 そんな盛り上げ方もあるのですね! なかなかない取り組みではないでしょうか。それでMVPとなった方は、こってりしたものや甘いもなどをリクエストされるのでしょうか?
竹村 それが藤岡さんの「心が喜ぶメニュー」ですね。実際は、外国籍の方ですと母国の家庭料理をリクエストすることが多いのです。
藤岡 ソウルフードでですね。 遠い異国の地で働く方にとっては、何よりの励みになりますね。
竹村 私たちも希望を叶えるため、委託企業さんに相談し、可能な範囲で要望に合わせた料理を提供するよう努力しています。ちなみに月刊MVPだけでなく、年間MVPも行っています。
藤岡 より良いサービス提供を促し、また、従業員の皆様の気持ちに寄り添うとても素敵な取り組みですね。
竹村 ありがとうございます。また、心のケアについては、本部から案内されている相談アプリも活用しています。私自身も試しながら、必要に応じて紹介しています。
藤岡 身体だけでなく、心の側面にも継続的に向き合っておられるのですね。アプリで手軽に試せるのも良いですね!
NOBORIの利用率50%超 健康意識の高まりに期待
竹村 アプリと言えば、武田病院健診センターさんが導入されている「NOBORI」アプリはとても良いですね。経年的に結果を見られるのでありがたいです。
藤岡 フォーシーズンズホテル京都様は、とくにNOBORIの利用率が高く、60%近くの方が登録されています。同規模の法人様と比べても、かなり高い水準です。
竹村 そうなると、外国籍の従業員も多く活用しているのですね。そこまで利用率が高いとは思っていませんでした。こちらからは特にアプローチしていなかったのですが、レントゲン画像などを手軽に見られるのも面白いですし、事前問診がNOBORI上で出来るのも便利ですので、利用が広がるのも納得できます。
藤岡 ご活用いただき、ありがとうございます。楽しんでいただきながら、皆様の健康意識が高まることを期待しています。
竹村 なかには、肺のレントゲン画像をプリントアウトして、オフィスに張り出している職員もいるのですよ。
藤岡 それはまた斬新ですね。健康管理の“見える化”でしょうか(笑)
竹村 オフィスに入ってすぐにレントゲン画像が張り出されているのもどうかと思いましたが、健康意識につながっているなら良いかと(笑) この他、ウェルビーイングの取り組みでは、「10分間の仮眠を取る時間をつくる」、「マッサージ師の方に来ていただいて施術してもらう」などの取り組みがあります。
藤岡 マッサージがあるのは嬉しくなりますね! そういった企画も人事部門が担当なのでしょうか?
竹村 そうですね。本部の方針を踏まえながら、各国・各施設で工夫して実施しています
藤岡 ホテルの建物の美しさはもちろんですが、従業員を大切にされている姿勢こそ、御社の魅力だと感じます。
竹村 ありがとうございます。私たちバックオフィスの目線では、一番のPRポイントは従業員です。ホテルの綺麗さはあくまでスタートラインであり、競合との差は“人の質”で生まれると考えています。
藤岡 とても共感します。私ども病院とホテルは語源が同じ「HOSPES」で、人をもてなし、支えるという根幹は共通しています。どのように従業員の皆様を「支え」、「満足感」を持ってもらい「健康」を維持されているのか、読者の方にも大きなヒントになったのではないでしょうか。本日はありがとうございました。
竹村 ありがとうございました。
※文中敬称略
フォーシーズンズホテル京都

https://www.fourseasons.com/jp/kyoto/
■所在地
京都市東山区妙法院前側町445-3
■主なサービス設備
客室(123室)、レジデンス(57室)
レストラン、バー、スパ、プール、フィットネスジム
■グループ
日本国内は4施設(東京丸の内、東京大手町、京都、大阪)
世界では131施設(北米、中南米、欧州、中東・アフリカ、アジア)
