たけだ通信 No.124

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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NursingMessage柳馬場訪問看護ステーション看護師髙鳥郁子長い歴史のある訪問看護において、大きな転換期となったのが1992年の老人保健法の改正です。在宅の寝たきりの高齢者を対象とした訪問看護が始まり、2年後の1994年には健康保険法等が改正されて年齢制限のない全世代の在宅療養者を対象とした訪問看護制度になりました(老人保健法・健康保険法などに基づく訪問看護)。当グループでは、1993年におもいやり老人訪問看護ステーション(以下ST)をはじめ、柳馬場訪問看護ST、訪問看護STあじさい、十条武田訪問看護ST、訪問看護STふくろうが開設され、現在もそれぞれの地域で「住み慣れた地域でその人らしく暮らし続けること」を支える訪問看護を続けています。利用者さんとの出会いを振り返ると、改めて「地域に根ざす」ということを考えさせられます。地域の居宅支援事業所より、「以前もお世話になったから、またお願いしたいと奥様が言っておられます」と連絡をいただきました。10年前にお姑さんを在宅で看取った際に、私たちが訪問していたご家庭でした。今回はご主人が要介護状態となり、再び訪問看護の依頼をいただきました。無口なご主人と、明るく笑顔の絶えない奥様。本当に素敵なご夫婦でした。リハビリを嫌がるご主人に奥様と一緒に工夫を重ねながら働きかけ、訪問のたびに笑顔があふれる時間を共有しました。しかし、訪問から2年が過ぎた頃、ご主人は次第にリハビリを拒否されるようになり食事量も減り、奥様が身体を支えて歩いていたトイレへの移動も難しくなりました。緊急訪問すると吸引が必要な状態で、誤嚥性肺炎が疑われました。このまま在宅で過ごすか、入院して治療を受けるか、選択が必要な場面でした。奥様は「できるだけお父さんと一緒にいてあげたい、病院は寂しいだろうから、お義母さんの時と同じように、看護師さんに助けてもらって家にいてもいいですか」と言われました。主治医へ奥様の意向を伝え、担当看護師だけでなく、スタッフ全員で朝・夕の複数回訪問し支援できる体制を作りました。1週間後、ご主人は奥様と息子様に見守られながら、静かにご自宅で最期の時を迎えられました。その際、奥様から「自宅で看取れて本当に良かった、義母の時から主人まで、助けてもらってありがとう」と温かい言葉をいただきました。その言葉は、私たちが地域で訪問看護を続けてきた意味を改めて教えてくれました。利用者さんやご家族から「またお願いしたい」と言っていただけるSTであることを誇りに思うとともに、これまで地域を支えてこられた諸先輩方に感謝しています。訪問看護STは地域包括ケアの中で医療と生活をつなぐ中核であり、利用者さんの尊厳を守る最後の砦です。京都市も高齢化の進行とともに在宅療養を支える訪問看護の重要性が年々高まり、小規模STの新規開設が続いています。当グループの訪問看護STは、グループ病院の強みを活かし、施設やクリニックとの連携をもとに、24時間緊急対応や看取り支援など地域のニーズに応じたサービスを強化していきたいと考えています。これからも地域の利用者さん、事業所、開業医の先生から愛され、頼りにされる訪問看護STであり続けられるよう努力を重ねてまいります。11TAKEDA


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