たけだ通信 No.123

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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OnePointFitnessワンポイントフィットネス「サルコペニア肥満」とは?最新の知見と対策近年、「サルコペニア肥満」という言葉が注目されています。これは、筋肉量が減少する「サルコペニア」と、脂肪が過剰に蓄積する「肥満」が同時に進行する状態を指します。特に中高年に多く見られ、放置すると生活習慣病や要介護リスクが高まることが分かっています。最新の研究が示すリスク最近の研究では、サルコペニア肥満は単なる体重増加とは異なり、筋肉量の減少による基礎代謝の低下が関係していることが分かっています。筋力が低下すると活動量が減り、さらに脂肪が蓄積しやすくなるという悪循環に陥ります。特に内臓脂肪が増えると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが飛躍的に高まると指摘されています。効果的な対策とは?サルコペニア肥満の予防・改善には、「筋肉を増やしながら脂肪を減らす」ことが鍵となります。そのために重要なのが、運動と食事の組み合わせです。1.筋力トレーニング週2〜3回の筋トレが推奨されています。特にスクワットやレッグプレスなど、大きな筋肉を鍛える運動が効果的です。2.たんぱく質摂取筋肉の材料となるたんぱく質を積極的に摂りましょう。特に、高齢者では1日に体重1kgあたり1.2g以上のたんぱく質摂取が推奨されています。3.適度な有酸素運動ウォーキングや軽いジョギングは、脂肪燃焼を助けるだけでなく、心肺機能の向上にもつながります。4.抗炎症食品の摂取魚やナッツ、オリーブオイルなどの健康的な脂質は、慢性炎症を抑え、筋肉の分解を防ぐ効果が期待されています。サルコペニア肥満は、加齢とともに進行しやすいものの、適切な対策を取れば予防・改善が可能です。筋力トレーニングとバランスの取れた食生活を習慣にし、健康的な体を維持しましょう。武田総合病院疾病予防センター理学療法士黄啓徳TAKEDA12308


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