たけだ通信 No.123

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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TAKEDA12304武田病院グループ康生会武田病院副理事長名誉院長武田道子でいます。まさに春爛漫、柳と桜を織り交ぜたすばらしいハーモニーです。幾度見ても飽きることのない桜の花は春の妖精のようです。どんなに悪い環境でも花をつけます。可憐であっても、すばらしい生命力を秘めているのです。それにしても植物はどうして春を知るのでしょうか。季節外れの雪が舞っていても、時節がくれば芽を吹き、枝を伸ばし、そして花をつけます。どのような環境の中でも、くじけることのないパワー、四季折々の自然が織り成す厳しさを乗り越えるエネルギー。このたくましさに、私たち人間もあやかり、いつの日か見事な花を咲かせたいものです。黄昏の空に浮かんだ円山公園のしだれ桜も見事ですが、コツコツと石畳を踏みしめて、そぞろ歩きで眺める三条白川の桜が私は大好きです。糸のように細く伸びた枝先が風に揺れ、可憐な花が川面にそっと顔をつけます。そして濡れた顔を再び持ち上げ、かすかに震えます。じっと見つめていますと、花と会話をしているような気持ちになります。ふと見上げますと、顔すれすれに花の一つひとつがほほ笑みかけてきます。私もほほ笑み返しているのに気づいて、はっと周囲が気になることがあります。桜に交じって背の高い柳の枝が揺らい


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