武田病院グループ:保険・医療・福祉のトータルケアを提供する京都の病院

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たけだ通信 No.100 (4月発行)

武田病院グループ理事長 武田隆久

時代で変化する人口構造・社会 〜地域ニーズに照らし、これに応える理想のグループ機能を追求〜(記念号)

photo_rijicho.jpg【VOICE】
武田病院グループ 理事長
 武田 隆久

時代で変化する人口構造・社会
地域ニーズに照らし、これに応える
理想のグループ機能を追求

他に例を見ない未曾有の超高齢社会を迎えた日本では、これを支える医療・介護の充実が、私ども医療従事者だけでなく社会全体の重要課題となっています。国は、高齢者ができるだけ長く在宅で暮らせるよう、医療・介護がつぎめなく連携する「地域包括ケア」の確立に動き出しました。しかしながら、こうした連携は一朝一夕で出来ることではありません。武田病院グループは、こうした動きに先行し、患者さんやご家族の声に応えながら、医療・介護の一体的なサービス提供に早くから取り組んでまいりました。今後も、地域の方に本当に必要な役割・機能のあり方を追求していきます。

■いよいよ高齢者となる団塊世代 高まる医療・介護ニーズに対応

本年2012年は、「団塊の世代」の600万人が、高齢者(65歳以上)に達する大きな節目です。団塊の世代とは1947~49年に誕生した第1次ベビーブームの年齢層をさし、現在、人口のおよそ5%強を占めています。さらに、団塊の世代が全て75歳以上になる2025年に高齢者人口は3500万人規模になることが推計され、その人口構造は2人が1人を支える極めて厳しいもので「2025年問題」とまで言われています。

これは何も将来の話という訳ではありません。地域によっては、過疎高齢化で既に迎えてしまった状況でもあり、京都府内の各地でサービス展開している当グループも、こうした地域における支え手の一員として、医療・介護サービスを提供しています。
高齢化と医療・介護の必要度が密接な比例関係にあることや、保険報酬のサービスだけでなく地域での包括的な支えが必要であることを、統計の数字ではなく実感として我々は持っています。

t-tsushin100.riji3.jpg人口の多い都心部での高齢化が進めば、必要となる医療・介護サービス量も飛躍的に多くなります。こうしたニーズに対応できるよう当グループでは、2つの介護老人保健施設、4つの特別養護老人ホームなど入居サービスを充実。さらに在宅を支えるため、6つの居宅介護支援事業所、4つの訪問看護、4つの訪問介護、6つの通所介護、2つの通所リハを運営しています。病院グループならではの、外来・入院治療と連携した、最適なケアの充実に努めています。

また一方では、地域での経験を踏まえ、近年、京都市の受託事業として、自立支援の拠点とされる「地域包括支援センター」を3ヵ所、介護予防の普及推進をめざす「地域介護予防推進センター」を1ヵ所運営することで、医療・介護サービスの提供に加え、その狭間にいる方達に公的サービスで対応するなど、つぎめのないサービス提供環境の構築にも取り組んでいます。

この「つぎめをなくす」取り組みは、口で言うほど簡単なものではなく、患者(高齢者)さんを主体とする関係者の意識づけや、互いの信頼関係の構築など、根気と時間を要します。これまでの連携に満足することなく、より充実したものへと内容をさらに高めていきます。

■「在宅医療・介護」だけでなく、「入院・入所」の期待にも応える

t-tsushin100.riji1.pngここで注意したいのは、在宅医療・在宅介護のあり方です。確かに「できるだけ自宅にいたい」と考える方は多数おられ、こうした方のご自宅での暮らしを支える医療・介護を追求するのは、まさに我々の使命だと認識しています。

しかしながら、社会保障費の抑制ありきで国が「在宅への移行」を強いるのは容認できません。ご家族に高い負担がかかるだけでなく、何より患者さんの状態悪化を招きかねないからです。

これまで病室で看護師が容態を見守っていたケースでも、早期退院を促したため、結果として「身体機能が低下した」「自宅で転倒し寝たきりとなった」など、不幸なケースが全国で報告されています。もとより、高齢者は体調が急変する可能性が高くあります。限度を超えた「在宅」に向かうのは甚だ疑問であり、むしろ適切な入院環境、入所環境のさらなる充実が不可欠だと考えるべきでしょう。


t-tsushin100.riji2.pngまた、眼病や心疾患、呼吸器、消化器、皮膚、整形、形成、リハビリそれに透析など、高齢者には様々な治療が必要となってきます。当グループでは9の病院を軸に、診療所、血液透析センター、画像診断センター、老健、特養、訪問看護、訪問介護、通所等50を超えるサービス事業所が一体となりこれを支えていく考えです。

もちろん我々に求められるのは高齢者医療ばかりではありません。救急医療、小児・周産期医療など重要課題が山積しています。さらに、疾患の早期発見・早期治療、疾患予防といった広い意味での医療が必要なのです。

今後も武田病院グループは、地域の皆様のニーズに照らし、これに応えるグループ機能を追求してまいります。

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