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健康相談Q&A

このコーナーでは、世間の関心が高い疾患を皆様にわかりやすくご紹介します。 読者の皆様からのご質問に答えていきます。

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

2013.06.01 糖尿病について/たけだ通信102号より

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宇治武田病院 糖尿病・内分泌内科 高橋 英雄



最近登場した糖尿病治療薬の特性は?

1906年に初めて、腸管粘膜に存在する物質が、糖尿病患者さんの尿糖を改善することが報告されました。1929年に、腸管粘膜から血糖低下活性を担う因子が分離され、「インクレチン」と名づけられました。
1971年-73年にかけて1番目のインクレチン因子としてGIPが同定されました。
1973年に第2のインクレチンの存在が提起され、1983年-87年にかけてGLP-1の構造及び作用が明らかにされました。
糖尿病患者さんでは、インクレチンホルモンの作用が、健常者と比べて50%以上低下しているといわれています。
食事摂取に伴い腸管から分泌されたインクレチンは、2分から5分間で分解されて、活性を失います。分解に関与する酵素は、DPP-4と呼ばれています。
DPP-4の活性を阻害することで、活性型インクレチン濃度を高める薬剤(DPP4阻害剤・経口剤)が、2006年10月に米国に、EUには2007年3月に登場しました。
現在日本では、7種類が使用されています。これまでの5種類の経口糖尿病治療薬及びインスリン注射との併用で、より高いレベルの糖尿病コントロールが可能です。2つ目のインクレチン関連薬として、DPP-4に分解されにくいGLP-1誘導体(GLP-1受容体作動薬・注射)が、2005年から米国で使われています。注射製剤は、食後血糖値の低下及び体重減少が利点です。

新しいインスリン製剤の進歩は?

皮下に注入されたインスリンは、血中に移行して、その作用を発揮します。
膵臓からの生理的なインスリン分泌パターンに近づけるために、人工インスリン(インスリンアナログ)が開発されています。1996年に超速攻型インスリンが登場しました。従来の速攻型インスリンより、速やかに皮下から血中に移行するため、食後血糖値のコントロールが良くなりました。
持効型インスリンは、注射後24時間作用が持続して、更に作用ピークが無いことが求められます。2003年にグラルギンインスリンが登場して、1型糖尿病患者さんの血糖コントロールが改善されました。今年登場したデグルデクインスリンは、作用時間が26時間以上です。血糖値の変動が小さくなったと評価されています。

最近の糖尿病食事療法の話題は?

血糖コントロールが得やすいという理由で、最近糖質制限食が評価されています。一方糖尿病治療のてびき(日本糖尿病協会発行)には、総カロリーの55-60%(1日に190-300g)の糖質摂取を推薦しています。どのような食生活が、長期的に安全で、有効かを明らかにするのは難しいことです。また、適切な食事療法は、年齢・体重・労働量などを考慮する必要があります。

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