たけだ通信 No.123

武田病院グループが発行する情報誌です。 グループの活動報告や各施設からのインフォメーションの他、インタビューや健康に関する記事等、充実の内容です。


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2040年問題と新たな地域医療構想いよいよ地域医療構想のゴールとなる2025年を迎えました。国民の5人に1人が後5歳以上)となることから、これ期高齢者(7まで多くの施策が2025年を目標に進められてきました。これら取り組みの成果がしっかり検証されると思いきや、既に国は次の目標である2040年に向かっています。2040年には日本の高齢者人口がピークに達し、社会を支える労働者人口の不足は、さらに深刻化しているでしょう。早期の対応が必要なことはここで言うまでもありません。昨年末には「新たな地域医療構想」の策定に向け、論点整理が行われました。これによると、高齢者救急・在宅医療の需要等が増加するなか、地域の実情に応じて、「治す医療」を担う医療機関と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、医療機関の連携・再編・集約化の推進を主眼としています。かたちだけ見れば、高度な医療を行う大学病院・公的病院と何でも対応する町医者(地域の病院・診療所)といった昔ながらのスタイルに戻るかのような印象です。全国的に医療の担い手不足が懸念されるなか、地域でのセーフティネットを堅持するため、フレキシブルかつ足腰の強い組織づくりが今後さらに重要となってくるでしょう。なったお子さん、親御さんの喜びようは、医療者にとってこの上ない気持ちとなります。また、康生会武田病院では不整脈の新たな治療「パルスフィールドアブレーション」を導入。武田病院画像診断センターでは、高倍速撮像技術・AI技術により検査時間を短縮すると共に高精細な最新の「MRI」の運用を開始しました。このほか、患者さんの紹介予約をクラウド上で行う医患連携システムをはじめとした業務のDX化(デジタルトランスフォーメーション)にも力を注いでいます。今後も当グループでは、地域でご提供する医療のアップデートを通じ、笑顔を増やしていきたいと考えております。武田病院画像診断センターに導入された1・5テスラMRI装置「VantageGracian」(AI搭載/キヤノンメディカルシステムズ社製)新たな術式の導入・DXの推進などアップデートを常に継続昨年9月、当グループの宇治武田病院では京都で初となるSDR(選択的脊髄後根切断術)を導入しました。脳性麻痺の児童は、膝・股関節が拘縮し曲がったままとなり、やがて多くは股関節が脱臼していきます。こうなると自力で歩くことは出来ません。このSDRは、筋肉を緊張したままにする神経を選択的にカットする手術です。日本ではまだ導入数が少ないですが、国際的には標準的な治療とされています。何より普通に歩けるように5病院団体が厚生労働大臣に緊急要望今年1月、日本を代表する5つの病院団体が、福岡資麿厚生労働大臣に緊急要望を行いました。病院の医業利益率は経年的に降下しており、特に急性期を中心とした一般病院は過去最大のマイナスで「病院経営は破綻寸前」であり「地域医療崩壊の危機」であると主張しました。私どももこれら団体の一員であり、経営状況は非常に厳しいなかではありますが、地域医療を守り、ご期待に応える医療・介護グループであるよう努力を続けてまいります。01123TAKEDA※日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会・日本慢性期医療協会


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