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Iru miru 健康通信 武田総合病院 内分泌センター/内分泌内科 内分泌センター長 成瀬 光栄 「副腎とその病気について」

2022/01/21 インフォメーション 武田病院グループ


※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


narusedr01_s.jpg武田総合病院 内分泌センター/内分泌内科 内分泌センター長 成瀬 光栄 「副腎とその病気について」

 副腎はどんな構造なの?

 両側の腎臓の上にあり、左と右の合計2個あります。副腎の外側を「副腎皮質」、内側を「副腎髄質」と呼び、各々異なるホルモンを分泌します。

 どんなホルモンがあるの?

 「副腎ホルモン」は血液中に分泌されて、ヒトが生きていく上で重要な血圧、ナトリウムやカリウムの代謝、糖や脂肪の代謝、骨の代謝を調節しています。副腎皮質ホルモンとしては「コルチゾール」と「アルドステロン」が代表です。コルチゾールは糖と脂肪の代謝、アルドステロンはナトリウム・カリウム代謝と血圧を調節します。副腎髄質ホルモンとしては「カテコールアミン」が代表です。血圧、糖の代謝を調節します。

 どんな病気があるの?

 ホルモンが過剰になる病気と不足する病気があります。過剰になる病気の多くは副腎の腫瘍(多くは良性)が原因で、ホルモン産生にブレーキが利かなくなります。コルチゾールが過剰になる病気は「クッシング症候群」と呼ばれ、高血圧、糖尿病、脂質異常症、骨粗しょう症などの原因になります。アルドステロンが過剰になる病気は「原発性アルドステロン症」と呼ばれ、高血圧と血中カリウム濃度の低下の原因になります。カテコールアミンが過剰になる病気は「褐色細胞腫」と呼ばれ、高血圧や糖尿病の原因になります。ホルモンが不足する病気の代表は、コルチゾールが不足する「アジソン病」です。低血圧、低血糖、低ナトリウム血症などの原因になります。原因の多くは免疫の異常によるものです。

 診断と治療のポイントは?

 発見のポイントは二つです。第一は、CTやエコーで偶然に副腎腫瘍が見つかったら、ホルモン過剰の有無を内分泌の専門医で確実に診断すること、第二は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病であっても、副腎の病気による可能性を常に考え、疑いがある場合は、掛かりつけ医や専門医と相談することです。適格な診断により、適切な治療が可能になります。