新着情報

  1. トップ
  2. 広報・読み物
  3. 新着情報
  4. 京都新聞朝刊 医療のページ 武田病院 院長 武田 純 「糖尿病」

京都新聞朝刊 医療のページ 武田病院 院長 武田 純 「糖尿病」

2021/01/28 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

武田病院 院長 武田 純 「糖尿病」

takedajdr.jpg

食事に注意し、毎日運動を

糖尿病の原因は。

人が活動するためのエネルギー源としてブドウ糖は不可欠です。膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンは、食べ物を消化して血中に吸収されたブドウ糖を、臓器や筋肉へ取り込む働きを担います。インスリンが出なくなったり各臓器で効きにくくなると高血糖になり、その糖が血管を傷つけて網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化などの合併症を引き起こします。また、糖尿病ではがんや感染症にかかりやすいことも分かっています。日本人はもともとインスリンの分泌量が少なく、欧米型の食生活によって肥満傾向になり、糖尿病を発症する人が増えています。

診断と治療は。

疲れやすい、喉がよく渇く、尿の回数が多いといった症状や血液検査で血糖値と、過去約2カ月間の糖化したヘモグロビンの割合を計測した値であるHbA1cをみて、糖尿病およびその予備軍を発見します。治療はインスリンを出しやすくする薬や効きやすくする薬を投与し、全く出ない人にはインスリン注射を行います。ちなみに、今年はインスリンの発見からちょうど100年の節目を迎えます

日頃の注意は。

糖尿病は罹患(りかん)すると一生付き合わねばならない病気です。重症化しないよう薬で調整しながら、生活習慣に気を付けましょう。糖質は体に必要なエネルギーです。血糖値の上昇を抑えるために、食事に時間をかける、野菜を先に食べる、脂っこいもの、菓子類、果物の過食を控え、毎日軽い運動を心掛けてください。糖尿病では免疫力が低下するので、リスク軽減のために、新型コロナウイルス対策はもちろん、インフルエンザなどのワクチン接種も行ってください。「コロナが怖いから受診を控える」という方もいますが、受診の先延ばしはよくありません。手遅れになっては大変ですので、定期受診は大事です。