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すこやか健康相談 稲荷山武田病院 院長 土屋 宣之 「がんの在宅療法と<みとり>について」

2018/03/14 インフォメーション 武田病院グループ

※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


がんの在宅療法と<みとり>について

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稲荷山武田病院 院長 土屋 宣之



「がん」の治療について、京都府の現況は?

京都府では毎年、約7000人以上の方が、がんで亡くなっています。
いまや、現代人の2人に1人はがんに罹患しています。このうち、約半数の方は人生の最期を自宅で迎えたいと思っています。しかし、現実にはその2割しか実現していません。

それでは、在宅でがんの患者さんを看病するにはどうすればいいですか?

地域包括支援センターというのがあります。そこに、在宅医療を進めていく上で、いろいろ協力、助言してくださる方々がおられます。ケアマネージャーさんもおられます。介護保険のこととか、訪問看護ステーション、かかりつけ医になってくださる開業医の先生、調剤薬局さん、のこととかの面倒を見てくださいます。

先生のいらっしゃる稲荷山武田病院は伏見区にあるということですが、伏見区の場合を見てみますと?

人口約28万人。開業医さんは、約220診療所。そのうち約50診療所の開業医さんが、往診を含めた在宅診療をされています。調剤薬局は約65あります。このうち、約25の調剤薬局が服薬指導のために訪問されています。訪問看護ステーションは約40あります。訪問看護師さんがご自宅に訪問して下さいます。

介護保険を利用するには?

区役所の福祉課の窓口に行ってください。そこで、介護保険を申請します、と言ってください。そうすれば、現在の主治医の先生へ、主治医意見書が送付されてきます。あとは、ケアマネージャーさんにお任せすればいいのです。

二年に一度見直される、医療サービス(健康保険の点数、診療報酬)の4月からの中身と値段が決まったそうですね。

はい、在宅医療の報酬が手厚くなります。日本政府は、在宅医療へのシフトを進めています。かかりつけ医機能の充実を図り、外来診療と往診に従事する医療機関の評価を引き上げました。在宅医療を受ける可能性が大きくなりました。

自宅で最期を迎えたいと思ったらどうすればいいですか?

まず、親しくなった訪問看護師とかかりつけの先生に、自分の気持ちを素直に言ってください。
素直にしっかり言うには、すごくしんどくなってからは無理です。体の調子やおこころに余裕があるときに、前もって相談することが肝心です。

最期を迎える際、すごく痛くなるのだったら嫌だなあとも思うのですが・・。

痛みどめは、いろいろな形態のものがあります。
麻薬じゃないものから、もちろん医療用の麻薬もあります。医療用の麻薬は、中毒になりませんし、寿命を縮めたりもしません。飲み薬、肛門へ挿入する坐薬、貼り薬、注射とあります。
いろいろ工夫して使ってくださいますので、安心してください。それでも痛いときは、ペインクリニックで開業されている診療所か、病院の緩和ケア科を紹介してもらってください。

現在のがん医療の実態は?

かかりつけ医の先生(開業医の先生)、訪問看護ステーションの看護師さん、調剤薬局の薬剤師さんと基幹病院(ホスピスも含めて)がチームを組んでやっている包括医療システムとしては、京都南部地区は日本のなかでも非常に進んでいるのです。

もし在宅医療中に病院に入院したくなったら?

かかりつけ医の先生から、病院を紹介してもらってください。もし、僕の所へ紹介していただけましたら、少し待っていただきましたら、ベッド調整をして、入院していただきます。

最後に、先生のいらっしゃる稲荷山武田病院って、どんな病院ですか?

緩和ケア病棟(ホスピス)があります。障害者病棟もあります。かかりつけ医の先生からのご連絡がありましたら、外来の予約を入れさせてもらいます。