武田病院グループ年報 2025 第37巻
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武田病院グループ 理事長(或いは7割)の病院が赤字」であるとの文言が踊りました。医療・介護を取り巻く環境が厳しさを増しているのはまさにその通りで、特に病院経営はコロナ禍以降、病床稼働率の低下や人手不足、物価高騰などに加え、2024年度の診療報酬改定が実質マイナスとなったことで、さらに状況が悪化しています。 この由々しき事態を改善すべく発信を行うのは良いのですが、結果として「マイナス面ばかりに耳目が集まっている」状況には大きな懸念を覚えます。事態をいたずらに煽るのではなく、崩壊から医療を守り、より良いサービスを地域に提供できるよう、皆で育み・支える視点で取り組みを進めることが重要ではないかと思います。 今後、日本の人口構成は、高齢者のさらなる増加・現役世代の急減が進行するでしょう。2040年までに生産年齢人口は現在から16.6%も減少するとのデータもあります。これまで以上に、若い方達が医療従事者への道を選びたくなる環境整備を行わないと、保険財政以前の話として医療が継続できなくなるであろうことを忘れてはいけません。 この解決アプローチの一つが、DX・AI活用等による「スマートホスピタル化」です。当グループも従前からDX化を極的に進めており、業務の負担軽減や患者さんの利便性の向上を図っています。スマートホスピタル自体はまだまだ発展段階と言えますが、手応えを感じており、他の取り組みと合わせて当グループに適した進化を図っていく考えです。 これら取り組みの進捗を図る大切な指標の一つが、この年報にまとめられたデータです。この数値をベースとし、次のステップを目指してまいります。制度改革など常に変動する環境に耐えつつも、何が出来るかを常に考え、より良い未来をつくる姿勢が大切です。 医療・介護・福祉でご協力いただいている皆さんにおかれましては、多大なご理解を頂き、今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。 令和 7 年 9 月 今年は例年以上の暑さの連続でした。気象庁も「広域的に過去に例のない危険な暑さ」と熱中症特別警戒アラートを発し、全国の救急搬送数(熱中症)は約17%増にもなりました(前年同期比:8月18日~ 8月24日速報値)。ようやく秋を迎え過ごしやすくなりましたが、依然として救急対応をはじめとする医療・介護ニーズは高く、当グループも気を緩めることなく日々の業務に邁進していく考えです。 先ごろ、「医業利益の赤字病院割合は69.0%まで増加」と、非常にインパクトのある調査結果(医療 6 団体)が示され、その後、メディアでは「6割巻  頭  言1

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