【Iru・miru 健康通信】「アンチエイジング」（十条武田リハビリテ―ション病院　手外科センター　副部長　岸田 愛子）

Q.　アンチエイジングって？

　一般的にアンチエイジングというと美容医療と考えられがちです。もちろん見た目を若く保つことはとても大事です。それだけでポジティブに毎日を過ごせます。しかし、真の若さを保つためにはココロもカラダも健康であることが必要であり、本来のアンチエイジングとは、見た目のみならず、自分の健康と向き合い、健康である時間(健康寿命)を長く保つための取り組みのことを指します。

Q.　健康寿命と平均寿命の違いは？

　「健康寿命」とは、身の回りのことや仕事、趣味などの日常生活に支障なく、自立した生活ができる期間のことです。それに対して、「平均寿命」は単純に生存する期間を指します。医療技術の進歩により、健康寿命、平均寿命ともに延びていますが、健康寿命の延びが平均寿命の延びに追いついておらず、この2つの指標の差、すなわち「不健康な期間」が増加していることが問題となっています。

(平均寿命)　日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、2023年の統計では、男性は約81歳、女性は約87歳です。
(健康寿命)　2023年の統計では、男性で約72歳、女性で約75歳です。つまり、男性で約9年間、女性では約12年間を、治療や介護を必要とする「不健康」な状態で生活することとなります。

Q.アンチエイジングの目指すところは？

　現代人は、さまざまなストレスにさらされていますが、それらを解消するために暴飲暴食をしたり、悩み苦しんで不眠となり、長期的な慢性疲労状態に陥り、自分の体が蝕まれて健康を害していることに気付いていません。アンチエイジングは、医療主導ではなく、一人一人が自分の持って生まれた健康や生命を維持するためにプログラミングされた能力を最大限に活かすことを目指しています。

　当院のアンチエイジング科は、誕生して間もない科ですが、今後はアンチエイジングドックを開設し、健康な人々のさらなる健康増進、美への追究など、トータルアンチエイジングに尽力します。