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ケアアドバイス

介護保険法施行10年目

武田病院グループ 本部 福祉事業部 部長 小林 啓治

本年は、4月の介護報酬改定に始まり、5月には介護保険法施行規則等の一部改正により業務管理体制の整備等の用件が定められ、よりコンプライアンスが厳しくなった。また介護報酬改定と同時に実施された要介護認定制度の見直し、10月から施行される介護職等助成金制度と目白押しである。

ここで、4月までを振り返り、整理してみると介護報酬改定は平成12年にスタートして以来、初めてのプラス改定(住宅サービス1.7%、施設サービスは1.3%。計3.0%)となった。介護職助成金制度は全産業の平均離職率16.2%をはるかに上回る21.6%の結果(平成19年度介護労働実態調査)や給与については全産業平均より月額約10万円程度低く(但し、介護職給与平均の結果より平均年齢や勤続年数が長い(平成19年度賃金構造基本統計調査))、介護職員が全国的に不足している実態から制度の施行に踏み切った。

一方、業務管理体制の整備とは運営法人毎に”法令順守責任者”を選任し、都道府県に届け出る事や”法令順守規定”の届出義務についても事業所数により義務化された。また、介護保険事業について廃止をする場合は今までは10日以内の届出のみとなっていたが5月以降については1ヶ月前に理由を付して届出を行う方法に変更された。また法令違反を行った場合の”連座制”や”法人本部の監査権限”等が定められている。

最後は要介護認定であるが、法施行後2度目となる基準(ケアマネの訪問による認定調査項目)の見直しが本年4月に実施されたところではあるが、実施前より、認定(コンピュータによる介護の手間を判定=一時判定)結果が従前の基準より低く出る事が指摘されており、厚生労働省は経過措置を設け、本人や家族が意思表示をすれば、認定結果が低く出ても従来の要介護度を適用するという異例の措置を取っていた。その後、厚生労働省の検証・検討会において本年10月に4月に変更したばかりの74項目の調査項目の内43項目について旧基準に沿って緩和する事を決め、10月を目処にテキストを修正し、実施するとした。

平成18年度の介護報酬改定=マイナス改定は「より在宅重視」、要介護1の7割を要支援とする「介護予防制度の施行」(多少強引な説明ですが。。。)、「認知症ケアやターミナルケアの推進」や「地域密着制度の施行」などが実施され、昨年の法改正に伴い、介護給付費適正化事業(たけだ93号掲載)が実施され、”適正”=”無駄の排除”という視点が取り入れられた。建前上、あくまでも”妥当性”を確認するというスタンスではあるが上述のようなよう介護認定を例にとれば、「社会保障費の削減」や「介護給付費の抑制」等のフレーズが頭に浮かんで来る。国が将来、確実に来る”超”高齢社会への社会保障のあり方を模索して様々な取り組みを行っていることは理解できるが、利用者とその家族はもとより、国民や事業に関わる者の”納得感”が得られる制度であるためにも、短期間でぶれる事の無い社会保障の制度設計を長期的視点で定める時期に来ていると感じます。まずは来年に控えた2回目の介護保険法の見直しと平成24年(2012)の診療報酬同時改定の行方を我々は注視し、介護保険法施行時の理念である”介護が必要な高齢者を地域や社会でささえる制度”の熟成を期待する。

~インフォメーション~
地域で支える認知症サポーター事業をご存知ですか?

厚生労働省が「認知症を知り地域をつくる」キャンペーンの一環として平成17年度より実施。5年間で認知症サポーター100万人の養成目標を達成しました。

本事業の目的は認知症の人と家族への応援者である認知症サポーターを全国で100万人養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指しています。活動の中心となる全国キャラバン・メイト連絡協議会では、都道府県、市区町村など自治体や全国規模の企業・団体等と協賛で認知症サポーター養成講座の講師役(キャラバン・メイト)を養成、養成されたキャラバン・メイトは自治体事務局等と協働して「認知症サポーター養成講座」を開催します。

「認知症サポーター養成講座」を受けた人が「認知症サポーター」です。とくに認知症サポーターにはなにかを特別にやってもらうものではありません。認知症を理解してもらい、認知症の人や家族を温かく見守る応援者になってもらいます。そのうえで、自分のできる範囲で活動できればいいのです。たとえば、友人や家族にその知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解するよう努める、隣人あるいは商店・交通機関等、まちで働く人として、できる範囲で手助けをする、など活動内容は人それぞれです。また、サポーターのなかから地域のリーダーとして、まちづくりの担い手が育つことも期待されます。なお、認知症サポーターには認知症を支援する「目的」として、ブレスレット(オレンジリング)をつけてもらいます。この「オレンジリング」が連繋の「印」になるようなまちを目指します。
因みに京都府56.5万人(22.1%)、京都市30.7万人(22.2%)、約2割の府民・市民が認知症サポーターです。

(たけだ通信No.95号より)

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