療養病床の行方
武田病院グループ本部 福祉事業部 部長 小林 啓治
2005年(平成17年)12月に厚生労働省は介護保険施設の一つである介護療養病床の全廃と医療療養病床の削減を発表した(図1)。あれから2年半が経過した現在の動向について触れてみたい。

介護療養病床については予定通り全床廃止。今年の4月に当時のイメージであった介護療養病床の転換先の一つとして「介護療養型老人保健施設」が新設、介護保険基準省令が一部改正され、その算定基準が示されました。
一方、医療療養病床については10万床減の行方がここに来て不透明になってきています。
療養病床:削減を断念
厚労省が方針転換--都道府県需要調査で「25万床維持必要」
長期入院する慢性病の高齢者向け施設である医療型「療養病床」(25万床)を11年度末までに4割減らす計画について、厚生労働省は削減を断念し、現状維持する方針に転換した。都道府県ごとに需要を調査した結果、25万床前後の確保が必要と判断した。厚労省は療養病床削減により医療給付費を3000億円削減する方針だったが…。(毎日新聞 2008年5月24日 東京夕刊)
国は医療費抑制の大命題のもと、様々な策を講じていますが短いスパンでの方向転換は現場を混乱させるだけでなく、将来に対する予測が困難で誰もが様子見をするのは容易に考えられる事であり、結果として先が見えず不透明感と将来に対する不安を煽る要因になっていると考えます。 誰もが高齢者人口が増える事は認知しており、社会保障についてはマクロ的視野から根本的に見直しをして欲しいのが本音です。
話の流れからご推察されていると思いますが、今後ますます療養や介護が必要な高齢者は在宅へのシフトが加速していくと予想されます。 在宅サービスの基盤整備のスピードと在宅での高齢者の増えるスピードが均衡しなければ、不具合が生じる事は明白であり、現実その可能性が高いと言われています。 我々が今出来る事はたくさんあり、“ピンチは最大のチャンス”と捉え、よりよいサービスの充実を図り、患者様や利用者様が安心して生活できるサービスを提供し続ける事が最優先の使命であると考えます。
(たけだ通信No.92号より)







