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武田病院グループからのお知らせ

2017.11.08 すこやか健康相談 医仁会武田総合病院 呼吸器内科 部長 池上 裕美子 「誤嚥性肺炎について」

※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


誤嚥性肺炎について

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医仁会武田総合病院 呼吸器内科 部長 池上 裕美子



誤嚥性肺炎とはどんな病気ですか?

物を飲み込む働きを嚥下機能といいますが、口から食道へ入るべき物が気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食ベ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することによって生じる肺炎です。吐物を大量に吸引した場合には胃酸による化学性肺炎を起こすことが有り、その場合はメンデルソン症候群と呼ばれます。

誤嚥性肺炎はどのような人に発症しやすいのでしょうか?

嚥下機能の低下した高齢者、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などの神経疾患や寝たきりの患者さんに多く発症します。

誤嚥性肺炎はどんな菌が原因となりますか?

肺炎球菌や口腔内の常在菌である嫌気性菌が原因となることが多いとされています。

誤嚥性肺炎はどのようにして発症するのでしょうか?

高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者さんでは口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、この場合、口腔内で肺炎の原因となる細菌がより多く増殖してしまいます。また、高齢者や寝たきり患者さんでは咳反射が弱くなり嚥下機能が低下します。その結果、口腔内の細菌が気管から肺へと吸引され、肺炎を発症します。また、栄養状態が不良であることや免疫機能の低下なども発症に関与してきます。他方、嘔吐などで食物と胃液を一度に多く誤嚥して発症する場合もあります。

誤嚥性肺炎はどのような症状が出ますか?

発熱、咳、膿のような痰が肺炎の典型的な症状です。しかしこれらの症状がなく、なんとなく元気がない、食欲がない、のどがゴロゴロとなる、などの非特異的な症状のみが見られることが多いのが誤嚥性肺炎の特徴です。

誤嚥性肺炎はどのように診断されますか?

誤嚥が明らかな場合や嚥下機能低下が確認されている患者さんでは胸部エックス線写真で肺炎像を確認することで診断できます。白血球増加や炎症反応の亢進も重要な所見です。寝たきりの高齢者など誤嚥性肺炎の高リスク患者で肺炎が発症した場合には、本症を考えます。

誤嚥性肺炎はどのように治療するのでしょうか?

抗菌薬を用いた薬物療法が基本です。呼吸状態や全身状態が不良な場合は入院して治療を行います。同時に口腔ケアの徹底、嚥下指導も重要です。また、嚥下機能に悪影響を及ぼす薬物を内服していないかチェックし、その上で、嚥下反射を改善する効果が確認されているACE阻害薬などの適応を検討することがあります。

生活上の注意点はありますか?

喫煙により気道粘膜の浄化が抑制され、細菌が付着しやすくなるとされるため禁煙は重要です。また誤嚥防止のリハビリテーションも有効とされています。介護者は、患者さんの食事の際には十分に上体を起こし、ゆっくりと咀嚼・嚥下するよう指導することが大切です。食事の形体をより嚥下しやすい形状に工夫することも重要です。肺炎球菌のワクチンも受けておくべきでしょう。

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