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武田病院グループからのお知らせ

2017.09.13 すこやか健康相談 医仁会武田総合病院 循環器内科 心血管内治療部 部長 白坂 明広 「虚血性心疾患とその治療法について」

※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。


虚血性心疾患とその治療法について

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医仁会武田総合病院 循環器内科 心血管内治療部 部長 白坂 明広



虚血性心疾患とは何ですか?

虚血性心疾患とは、心臓の周りを取り巻いて、心臓の筋肉(心筋)に酸素等を供給している冠状動脈に何らかの問題が生じ、心筋が必要とする酸素やエネルギーを充分に送り届ける事が出来なくなった病態です。 その状態は大きく二つに分類されます。心臓の筋肉が生きている状態の狭心症と、心筋が死んでしまっている状態の心筋梗塞です。 狭心症や心筋梗塞は、それぞれ病態や原因などによってさらに分類されます。 まず狭心症ですが、安静時には何ともなくて体を動かした時にのみ症状を自覚する労作性狭心症(安定狭心症)や安静時にも症状を自覚する安静時狭心症(不安定狭心症)。安静でも体を動かしても何ともないのに発作時にのみ自覚症状を認める異形狭心症(冠攣縮性狭心症)です。 心筋梗塞は病気の発症した時期によって、急性、亜急性、陳旧性と分類されます。心筋梗塞の中には発症直後で心筋のダメージが非常に軽い場合には急性冠症候群と呼ばれたり、心筋のダメージを受けた部位を示す心内膜下梗塞、前壁、側壁、下壁梗塞と呼ばれることもあります。 急性心筋梗塞は無治療の場合はおおよそ8%程度の致死率です。 また重症であれば心不全を合併して寝たきりの生活になったり、脳梗塞や肺炎を合併して死亡する場合もあります。

原因は何が考えられるのですか?

多くの場合は冠状動脈に生じた動脈硬化が原因です。それ以外には冠状動脈に一時的に生じる攣縮(痙攣)であったり、何らかの原因で冠動脈に血栓が詰まったりして起こる事もあります。 動脈硬化は高血圧症・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症・喫煙歴・加齢といった生活習慣が大きく関連する要素や、家族歴等遺伝的要素があると進行の度合いがきつくなります。勿論同じ病気であっても、きちんと治療を受けてよい状態でいる患者さんよりも放置状態の患者さんの方が悪くなり易いです。 冠攣縮の原因はケース・バイ・ケースですが、強いストレスや喫煙が原因となっている事が多いです。またホルモンのバランスも関係しているとも言われています。血栓が詰まるケースは、冠動脈そのものが原因で血栓が生じる場合と、心臓の中にあった血栓が冠動脈に飛んできて詰まる場合が考えられます。後者の場合は未治療の不整脈に合併する場合が多いです。

どんな症状が生じるのですか?

一般的には胸痛を認めることが多いですが、その他に胸部圧迫感や違和感、左手の痺れ感、喉の締め付けられるような感じ、歯の痛み、上腹部の痛みを訴える患者さんが多いです。その他に不整脈や意識消失、呼吸不全で救急搬送される場合もあります。またご高齢の患者さんや糖尿病の患者さんの場合は自覚症状を認めなくて、たまたま施行された検診や、他の病気で検査を行った時に偶然見つかる事も珍しくありません。

どんな検査があるのですか?

心電図・心臓超音波検査(心エコー)・トレッドミル等の運動負荷検査・心臓CT・心臓MRI・心筋シンチグラム・心臓カテーテル検査等です。カテーテル検査以外は外来でも検査は可能です。

治療法は?

どんな分野のどんな病気でも、きちんと検査をすることが一番大事です。診断さえきちんとしていれば、ベストの治療法は自ずから決まります。先ほど示した検査を行って、診断を行った後、最低ラインとして薬物療法が始められます。病状が軽症である場合はこれでも可能と考えます。しかし薬物のみでは病態が不安定であったり、病気の進行によって危険が予想される場合は心臓カテーテルを用いたPCI治療(風船療法・ステント治療etc)や現在の天皇が受けた冠動脈バイパス術治療がお勧めとなる場合もあります。カテーテル治療は短い場合は30分程度で終了出来るケースもあり、局所麻酔で負担の軽い治療が可能です。入院期間も2~3日で可能な場合も多いです。 現在の日本の医療では、緊急時を除いて患者さんの意見を尊重しない事はあまりありませんので、きちんとした検査を受けてご自分の状態を良く理解して、最善の治療を受けられることをお勧めします。勿論、カテーテル治療やバイパス術はどの病院でも可能な手術ではありませんので、いま受診している病院で治療を受けることが難しい場合は、諦めずに、手術が出来る病院に紹介して貰ってください。

予防は可能ですか?

先に示した生活習慣に関係する病態は、ある程度、生活改善で良くすることは可能です。但し、高血圧症・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症・喫煙歴・加齢・家族歴等は自覚症状を認めません。殆どの場合は自覚症状を認めたときには既に重症である事が多いので、若いうちから健康的な食生活や運動を心がけて、定期的に検診等を受けておきましょう。最近は以前に比べて薬も非常に効果的なものも多く出てきましたので、必要性があれば嫌がらずに病状の早期から服用することもお勧めします。

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