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2016.10.25 脳卒中医療連携カンファレンス2016

脳卒中医療連携カンファレンス2016
寝たきりなど後遺症が大きな問題
最新治療と予防について開業医の先生と検討

脳血管疾患の総患者数約118万人(厚生労働省「平成26年患者調査の概況」)とされる予後の悪い脳卒中の治療と予防について研修する「脳卒中医療連携カンファレンス2016」(共催:下京西部医師会、バイエル薬品株式会社 後援:康生会武田病院、十条武田リハビリテーション病院)が10月8日、京都市東山区のウェスティン都ホテル京都で開かれました。

京都市内の開業医の院長や医療従事者100人が出席、冒頭、康生会武田病院の内藤和世院長から、「武田病院では脳卒中センターの充実など、グループ病院を挙げて取り組んでいます。特に脳血管障害の治療と予防については、開業医の先生方など地域との医療連携が欠かせません。さらに高齢化時代を迎えて、入院医療からリハビリなど在宅での継続的な医療が問われており、検討を深めいただきたいと願っております」と挨拶しました。

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一般講演では、青木医院の青木淳院長が座長を務められ、『脳卒中予防とライフスタイル』と題して、十条武田リハビリテーション病院脳神経外科の久保洋昭部長が発表。久保部長は、脳卒中のリスク因子について32カ国、約13000症例を元にしたデータ分析によって、「発症のリスクとしては高血圧が47.9%、運動不足が35.8%、その他では血中脂質、食事内容や喫煙などで、トータルにするとPAR(人口寄与危険度:当該因子により事象が起きた割合)は脳卒中の90.7%に上っているのです。これら危険因子を指導することで90%の脳卒中が予防できる可能性があるとされ、生活習慣の改善を推し進めている日本の医療機関の方向性の正しさも証明しています。そのため、当院では患者、家族に食事や運動、睡眠の状態など、簡単な日常生活手帳をつけていただくことを検討しているところです」と強調しました。

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一般講演2として、康生会武田病院脳卒中センターの西村真樹部長が、『脳卒中になったら~脳卒中急性期治療~』のタイトルで、「20年前には脳梗塞の診断を得ても、詰まった血管を再開通させ、発症以前の状態に戻す治療をすることはありませんでした。しかし、2005年には詰まった血栓を溶かす〝t-PA治療〟を発症から3時間以内に、2012年には発症から4.5時間以内のt-PA治療が認められました。さらに、2015年にはマイクロカテーテルで血栓を回収する手技が導入され治療時間も8時間以内になるなど大きく変化し進歩しました」と報告しました。

 また西村部長は、武田病院脳卒中センターが開設された2013年から15年までの約600症例を分析、「かかりつけ医にこられる患者さんで、脳卒中の疑いと診断される症状は頭痛、意識障害と神経症状です。特にくも膜下出血の頭痛判断は大切であり、時にはなかなか判断が難しい症例がある」と、MRI(磁気共鳴画像)を示しながら強調しました。

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特別講演は康生会武田病院脳卒中センターの滝 和郎センター長が座長を務め、三重大学大学院医学研究科・神経病態内科学の冨本秀和教授がご講演。『超高齢社会における脳卒中・認知症の循環型病診連携』と題して、現在、日本が直面している高齢化と脳卒中疾患の増加、その予防の大切さを詳細に分析。冨本教授は日本の高齢社会の現状と、脳卒中の予後の悪さについて「人は血管とともに老いる」を引用し、加齢とともに血管病変の増加を冒頭で指摘しました。

 特に、ラクナ梗塞などと違い、心房細動などを起因とする心原性脳塞栓症については、症状の重篤なことや予後も悪い点も報告し、また、「認知症など脳障害の予防については血圧管理が大切ですが、75歳を過ぎた高齢者の場合には様々な基礎疾患を合併していることも多いため、他の病気と血圧の関係を注意深く観察したうえで、より慎重な薬によるコントロールが必要となります。また脳の微小出血(Microbleeds)があってもt-PA療法の禁忌にはならないので、できるだけ早く脳卒中センターなど専門施設への搬入や、画像情報の転送などの医療連携を通して、その後の脳障害の進行を予防することがますます大切になってきています。さらに、脳卒中急性期治療、リハビリ、再発予防の循環型のケアが重要で、急性期病院と維持期の連携、橋渡しもさらに発展的に考えて行くべきで、将来、通院治療の質の向上が重要です」と訴えました。 

 会場からの「運動での歩数と血圧の関係について」「脳内出血の場合の搬送時間は」といった質問に対しても3講師とも丁寧に応えました。

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